トランス・ペアレント : trans parent

トランス・ペアレント : trans parent

トランス・ペアレント : trans parent

トランス・ペアレント : とは「透明、透かし、透かし絵」の意味。 単に「透ける」というファッションは、古代エジプトなどで見られる。オーガンジー、シフォンといった素材や、それらを使った衣服を指します。シー・スルー See Through と同義。オーガンジー、ボイル、モスリン、ローン、シフォン、レース、目の粗いニットなどの透ける素材を使って、身体を透かして見せるファッション。別名「スケスケ・ルック」、「トランスペアレント」。

フランス革命の時には、それまでの慣習やモラル、礼節を打破する動きの中で、厚地の絹の紋織りドレスの代わりに、木綿の薄い透けるモスリンのドレスが流行した。有名なのはタリアン夫人(1773~1835年)という美人のエピソード。彼女は靴下留めの色が見分けられるほど薄い綿チュールのドレスを着てチュイルリー公園を散歩したそうです。他にも、ダヴィッドが描くレカミエ夫人の肖像画でも、清楚なエンパイア・ドレスの白いモスリンからは、ピンク色をした乳首が見えます。

このような歴史古い「透けるファッション」をシースルー・ルックとして打ち出したのが、1960年代後半のフランスのデザイナーたち。なかでも、1968年にドレスでセンセーションを巻き起こしたイヴ・サンローラン Yves Saint Laurent が有名。イヴ・サンローランの発表したドレスでは、ブラジャーなしの胸、胴部、腕が透けて見えるシフォンが用いられました。以後、1960~1970年代の性革命を代表するファッションの一つとなりました。皮肉にも1968年は5月革命の年。その後、1972年のアンドレ・クレージュが続きます。そのため世界初のシー・スルーがそこに誕生したように思いがちですが、20世紀前半にも無名のシー・スルーのドレスが中国にあっただろうと考えられます。他地域でも確認できるかもしれません。

トランス・ペアレント アンドレ・クレージュを着るギニア・リンドブラッド(ピーター・ナップ撮影)。
アンドレ・クレージュを着るギニア・リンドブラッド(ピーター・ナップ撮影)。Gunilla Lindblad on André Courrèges, Photo: Peter Knapp via Gunilla Lindblad on André Courrèges – Vogue

1989年春夏コレクションでは、再び透けるファッションが話題となった。ロメオ・ジリ、クロード・モンタナ、コム・デ・ギャルソンなど。しかし、その背景には反体制という意味合いは薄まっており、布の軽やかさ、軽快さ、重ねられた素材や色の効果といった点がポイントになっており、フランス革命や5月革命の状況とは異なり、ファッションの一般的なパターンの一つになっています。

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