友禅のきもの 京友禅:岩下志麻
このページでは『婦人画報』1972年9月号から、京友禅を着た岩下志麻さんの写真2点を紹介しています。
今号は「増ページ大特集」として友禅のきもの、京のごちそう。
「友禅のきもの」には加賀友禅が1ページ、京友禅が4ページ、東京友禅が2ページが割かれています。東京友禅はややカジュアルな柄です。
若奥さまむきの留袖

友禅のきもの 京友禅 岩下志麻 : 『婦人画報』1972年9月号、28頁。
リード文
古典的な文様として愛されている扇面を金箔、刺繍などを用い、華やかに表現した若奥さまむきの留袖。扇面の中の割付模様が古典美を感じさせます。帯は亀甲柄の袋帯。きもの/京都・丸池藤井、帯/浅野、モデル/岩下志麻
出典『婦人画報』1972年9月号、28頁。
リード文批評
この作品は、柄の配置と帯の亀甲形が大胆で格好いいと思いました。
手で彩色した京友禅

友禅のきもの 京友禅 岩下志麻 : 『婦人画報』1972年9月号、31頁。
リード文
京都洛北の光悦寺を、型で糊糸目をおき、手で彩色した京友禅です。生地は古代ちりめん。淡い色調の袋帯でしっとりと。きもの/京都・丸池藤井、帯/渡文、モデル/岩下志麻
出典『婦人画報』1972年9月号、31頁。
リード文批評
座っていることも関係してややラフな感じ。
これだと小津安二郎監督映画で何気なく着ている着物に近いような、のどかな気分になりました。
この雑誌の表紙
この雑誌の表紙も岩下志麻さん。
これも友禅かと流れから思いましたが、自信がありません。今まで和服・着物の勉強を意図的に避けてきたので説明できる要素を持ち合せておりません。

友禅のきもの 京友禅 岩下志麻 : 『婦人画報』1972年9月号
334ページの「編集こぼればなし」に「表紙のひと」として志麻ちゃん再登場。
映画の話、飛行機嫌いの話などが簡単に。
野口真造氏の、華麗な友禅のきものを前に「まあ、すてき!」とごきげんな岩下志麻さんは、その華麗さの似合う数少ないひと。映画最後の大女優、といわれるこのひと、秋には『邪馬台国』の女王卑弥呼を演じるという。2世紀後半から3世紀に栄えたといわれる幻の国の、誇り高き女王の役に大きな期待がもたれる。監督はむろんダンナさま。表紙撮影を終えて”飛行機嫌いの志麻さん”の飛行機旅行について、私たちを笑わせる、巧まざるユーモアのもち主でもあります(竹内篤)
出典「婦人画報」1972年9月号、334頁。※以→似、 耶→邪。
おわりに
この頃の着物は洋服の普及にかなり抵抗して、鉄板の堅さのように装道化が完成しているようで、単なる撮影アトラクションの様相です。
和服の最後の足掻きといったところです。
志麻ちゃんがとてつもなく映えているのとは別次元の話で。
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