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プリングル:英国王室御用達のカシミア・メーカー

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プリングル(Pringle)は英国王室御用達の老舗カシミア・メーカー&ニット・ブランド。

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創業

1815年にロバート・プリングル(Robert Pringle)が英国スコットランドのホーウィックに「ウォルディ・プリングル・ウィルソン商会」として最初の工場を設立したのがはじまり。
1827年には高級下着の製造をスタート、1905年には女性向アウターウェアの生産をはじめました。
20世紀初頭にプリングルは、カシミア、メリノ、シェットランド、ラムなどのウール(羊毛素材)を展開するスコットランド最大の会社となり、世界最大のウール・メーカー「ドーソン・インターナショナル」の子会社としても機能しました。

新会社の設立

1920年にロバート・プリングルは息子とともに120人の従業員を従え新会社を設立。その後1920年代を通じて、カシミアのツイン・ニット、カーディガン、セーターなどでも有名になり、ハリウッド・スターたちが顧客に着きました。
この時期はウィーン生まれのデザイナー、オットー・ワイズがプリングルで大活躍しました。
1930年にセーターにダイヤ状のパターンを縫い上げたのが、プリングルのトレードマークとなります。1948年に優れたカシミアを製造する点を評価され、英国王室から表彰されました。この頃から王族や貴族向けのゴルフ・ウェアを生産し、PGAのオフィシャル・カシミアを提供するようになりました。

本格的に英国王室御用達へ

プリングルのロゴとして有名なスコットランドのランパント・ライオンがトレードマークとして登録されたのは1950年のことです。
1952年にイギリスのエリザベス女王がプリングルの工場を訪問。その後、カシミア製品の納入実績にをもとにエリザベス女王から英国王室御用達の認定を受けました。1955年に雑誌「ヴォーグ」の表紙を飾ります。この時期には芸能人、アーティスト、プロゴルファーたちの間にも人気が急上昇。

2000年代の大転換

プリングルは2000年に香港企業ファング・ブラザース・ニッティング社に買収されました。スコットランド生まれの英国人女性キム・ウインザーがCEOに就任しました(買収金額900万ドル)。
彼女はプリングルの大胆なイメージ・チェンジをはじめ、プリングルの伝統を残しながらもマーケティング、デザイン、ラインナップの刷新を図りました。こうして、ベッカム夫妻やジュリア・ロバーツらのお気に入りブランドとしても知られるようになりました。
翌2001年にニット・アクセサリーやレザー・グッズなどの発売を開始。ディフュージョンのプリングル・カジュアルズも販売スタート。ニット以外の素材でも成功し、プリングルはニット製品のメーカーからトータルに製品を提供するアパレルメーカーへと成長しました。
他方で1940~1950年代のプリングル・オリジナルデザインの復刻版やスワロフスキー・クリスタルのボタン使用など、デザイン性の高い商品も維持・充実させている。
2002年になるとプリングルはキム・ウィンザーの個人経営となりました。これを機にロンドンのボンド・ストリートと東京の青山にフラッグ・ショップ(旗艦店)を同時にオープン。デザイナーにはスチュワート・ストックデイルが就任しました。
翌2003年にレディース部門が2003年春夏ロンドン・コレクションから、メンズ部門が2003-2004年秋冬ミラノ・コレクションから、参加しはじめました。

2010年代

2011年2月からはジーン・ファングがCEOに。
2015年にプリングルは創業200周年を記念して、スコットランド国立博物館と協力し展覧会を開催しました。展覧会はスコットランドのニットウェア業界が誇る長い歴史を概観し、現代的なファッションでのニットウェアの関わりを称賛しました。
現在の社名はプリングル・オブ・スコットランド(Pringle of Scotland)です。

まとめ

ファッション史的にみてニットを外出着として提案したことは、20世紀前半にパリでガブリエル・シャネルが見せた自由な発想を思い出させます。
プリングルのトレードマークとなったアーガイルチェックやツインニットを産出した点は非常に評価が高いです。ツインニットは映画女優マーガレット・ロックウッドやフィリス・カルバートなどが愛用したことで知られます。
また、王室や貴族の間ではゴルフウェアとしても愛用されてきましおたし、英国プロゴルファー協会の公式セーターに指定されるなど、各界からの定評は揺るぎありませんでした。

公式サイト

  • Pringle of Scotland® Official Site | Luxury Knitwear since 1815:スコットランド製カシミヤ、高級ニットウェア、ラグジュアリー・ニットウェア、キャットウォークのルックなど、紳士服や婦人服に関する最新のファッションコレクションを見つけて購入できます。

https://pringlescotland.com/
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いろんなファッション歴史の本を読んで何も学べなかった残念なファッション歴史家。パンチのあるファッションの世界史をまとめようと思いながら早20年。2018年問題で仕事が激減したいま、どなたでもモチベーションや頑張るきっかけをください。

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