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マギー・ルフ Maggy Rouff:映画産業初期のデザイナー

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マギー・ルフ

マギー・ルフ Maggy Rouff は1896年にフランスのパリに生まれたファッション・デザイナーです。女らしい洗練されたエレガンスを主張しつづけたパリのクチュリエール(女性裁縫師)です。マギー・ルフの本名はマギー・ブザンソン・ド・ワグネル。父はメゾン「ドレコル」の支配人で、母は同店のモデリスト(マダム・パキャンの恩師)。

マギー・ルフ:ミセス・ビサンシン・ワグナー、別名マギー・ルフ。

ミセス・ビサンシン・ワグナー、別名マギー・ルフ。Mrs. Besancon-Wagner otherwise known as Maggy Rouff, Paris Fashions 1944 © David E Scherman via Maggi Rouff 1944 | © Pleasurephoto

経歴

若い頃に外科医を志しましたが、クチュール志望に転進。裁断と縫製技術を学びながら、父母とともに「ドレコル」で働いましたが、ビール店と合併したため退社。直後に、ピアー・ブザンソン・ド・ワグナーと結婚し、彼を経理担当としました。

創業

マギー・ルフ は、1928年にシャンゼリゼ通りで、オート・クチュールの店舗を開店しました。当時支配的だったガブリエル・シャネルの黒とベージュのギャルソンヌ・ルックに対抗。華やかな色のドレスを打ち出したり、忠実さに拘らない自由で象徴的なコスチュームを作成したりしました。とはいえ、彼女の作品は、前衛的で大胆な半面、洗練された女らしい「ボン・グゥ」も持っており、戦時を除いて、25年間パリ・モード界の第一線で活躍しました。彼女の鋭く仕立てられた衣服は「未来への予感」というキャッチフレーズで、1920年代後半の広告を賑わすこととなりました。オート・クチュールの伝統に対して、着用可能なファッションという動きを起こしました。彼女は、美しい夜会服をデザインしましたが、スポーツウェアの面でも知られます。
1937年にはロンドンにサロンをオープン。マギー・ルフの作る昼間服は、ロメン・クレープかウール・クレープで作られ、ショールかスカーフで映し出されたカラーを特徴としていました。また、シャーリングを好み、スカーフ、バイアスのひだ飾り、ひだべりなどで波立たせました。1940年代初頭には、セダ・バラ(Theda Barra)、ポーラ・ネグリ(Pola Negri)、グレタ・ガルボ(Greta Garbo)のような初期映画時代の女優たちに、マギー・ルフのガウンが着用されるようになり、彼女の評判は確立されました。
モノグラムは、1950年代まで、彼女のジャケットのポケットの上によく刺繍されました。1939年に作られたガウンでは、身体に対して水平に集められた時代遅れのリボンが付けられ、ギリシア風になっています。また、1930年代にデザインされたイブニング・ドレスには、身体のラインに近づきながらも軽快さを保ったものが多いです。

マギー・ルフ の後継者たち

1948年にマギー・ルフは引退し、娘にデザイナーの仕事を委ねました。以後、セルジュ・マッタ(Serge Matta)、ギ・ドゥビエ(Guy Douvier)、ミッシェル・マラール(Michel Malard)らがマギー・ルフのメゾンを継ぎました。56年には、プレタポルテ部門「マギー・ルフ・エクスタシオン」をオープン。プレタポルテ(既製服部門)のメゾンは、マルソー通りの19世紀風のアパートでした。後にモンテーニュ通りに移転。なお、サックドレス「ベビードール」が流行したのは1958年。1961年上映の、ロベール・デリー監督のコメディ『ミス・アメリカパリを駆ける』の衣裳を手がけました。

マギー・ルフ店の1967年製ドレス。

マギー・ルフ店の1967年製ドレス。Maggy Rouff Boutique dress from 1967 via Couture Allure Vintage Fashion: Weekend Eye Candy – Maggy Rouff, 1967


1971年8月、彼女の死去とともに、クチュール部門は閉鎖。残されたプレタポルテは、「マギー・ルフ」のグリフで継承され、スティリストのクレール・バラが製作を担当しました。弟子は、ジャン・ルイ・シェレール。また、著書に、アメリカの旅行記『マイクロスコープで覗くアメリカ』、理論的なファッション書『エレガンスの哲学』があります。

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いろんなファッション歴史の本を読んで何も学べなかった残念なファッション歴史家。パンチのあるファッションの世界史をまとめようと思いながら早20年。2018年問題で仕事が激減したいま、どなたでもモチベーションや頑張るきっかけをください。

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