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マドンナ:セックスシンボルの表現を変えた大スター

マドンナ ハーパース・バザー Madonna, Harper Bazaar.人物と企業
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マドンナ(Madonna)は1958年に米国ミシガン州デトロイト郊外のベイ・シテに生まれた歌手・女優です。

本名は長くマドンナ・ルイーズ・ヴェロニカ・チコーネ(Madonna Louise Veronica Ciccona)。

私のファン歴は1度目がトゥルー・ブルー(1986年)からライク・ア・プレイヤー(1989年)まで、2度目がアメリカン・ライフ(2005年)からMDNA(2012年)までです。最近は音楽よりも動向に注目しています。

持っているマドンナのCDを並べた写真です。

持っているマドンナのCD

両親ともイタリア系の熱心なカトリック信者でした。6歳の頃に母が乳ガンで他界し、男手一つで育てられました。常に成績優秀で、高校ではチア・リーダーを務めたといわれます。

マドンナ ハーパース・バザー Madonna, Harper Bazaar.

マドンナ ハーパース・バザー Madonna, Harper Bazaar.

ジャンポール・ゴルチエジャンニ・ヴェルサーチなどがマドンナから影響を受けたデザイナーです。

ダンスの開始

1969年からダンスのレッスンを受け始めました。1975年に奨学金でミシガン州立大学のダンス課程に入学しますが1年で中退。わずか35ドルを持って(37ドル説あり)、単身ニューヨークへ渡りました。

その後ウェイトレスをしながら、本格的にダンスのレッスンを受けます。ダンスだけでなく音楽活動も始めたのは1979年。

歌手デビュー

1982年にワーナー・ブラザーズ傘下のサイアー・レコードにデモテープを送り、これが認められて契約されました。仲介となったマーク・ケイミンのプロデュースにより「エヴリバディ」でデビュー。

デビュー・アルバム『バーニング・アップ』(1983年)はヒットし、収録8曲中5曲がシングル・カットされました。

マドンナ 1枚目アルバム バーニング・アップ

マドンナ 1枚目アルバム バーニング・アップ via Madonna Wallpapers: 1980s | all about Madonna

ライク・ア・ヴァージン

翌1984年に2枚目アルバム『ライク・ア・ヴァージン』を発売。同名シングル曲ともに爆発的な人気を呼びます(初の全米1位)。音楽的にも衣装的にも、初期マドンナはこのアルバムとシングルで決まったといえます。

アルバム・ジャケットの衣装(フリフリのウェディング・ドレス)はマドンナ・ルックとしてヒット。プロモーション・ビデオのルックスもヒット。

マドンナ 2枚目アルバム ライク・ア・ヴァージン

マドンナ 2枚目アルバム ライク・ア・ヴァージン via Madonna Wallpapers: 1980s | all about Madonna

中でも目立つのが次の写真の組み合わせ。この衣装はベア・ミドリフ・ルック(ヘソ出しルック)としてファッション・キーワードとなりました。

こちらのファッションは5つほどのパターンがあります。途中、落ち着かない新婦という感じで、ウェディング・ドレスを着てうろちょろ歩いています。

腹出し・臍出しの短い黒色トップ、タイトな黒色ミニスカート、青色のスパッツ(+ジャラジャラと付けすぎのパールとチェーンのネックレス、十字架のアクセサリー)。

ライク・ア・ヴァージンのPVで披露されたカラード・タイツ。 via ’80s Fashion Fix | Madonna Style — Double Denim Days

この写真を紹介する「Double Denim Days」は次のように指摘しています。

なぜ腹と胸だけが楽しいのですか?マドンナは自分の脚にも愛を示せとアピールしました。カラー・タイツは脚と一緒に完璧なマドンナ・ルックスを形成しました。(’80s Fashion Fix | Madonna Style — Double Denim Days

シングル・カットされた同名曲以外にも、マリリン・モンローを模したプロモーション・ビデオで有名な「マテリアル・ガール」もまた、当時のマドンナのファッションを1980年代のセックス・シンボルとして特徴づけました。

「マテリアル・ガール」を露骨に真似た通り、世間は「マリリン・モンローの再来」と言いました。ストッキングやカラータイツは「ストッキングとタイツ:意味や歴史と二つの違いを説明」をご参照ください。

確立されたセックス・シンボル

『ライク・ア・ヴァージン』頃からPVやステージでの過激なパフォーマンス、ファッションや発言、ヌード写真集『SEX』(1992年)の発売などを立て続けに。一見、非道徳的・反社会的な存在だと見られがちでした。

しかし当時からマドンナは社会貢献に熱心で、彼女の主張・行動がフェミニズムの観点から大きな影響を与えたとみる見解もたくさんあります。一例に次の引用を挙げておきましょう。

NHK「3ヶ月トピック英会話」(2007年1月号)では次のようにマドンナの「ライク・ア・ヴァージン」を擁護しています。

virgin という言葉は、じつはもう、あまり無邪気に使えない時代になっています。(中略)≪誰の手垢も付いていない≫ものをvirginを表現するのは、今の時代、女性に対して失礼この上ない―という意識が先進国では強烈です(中略)(この曲は)virginのイメージを逆手にとった、強くて大胆な女性企業家マドンナによる、女権拡張の歌、と言っていいんじゃないかと思うんです(NHK「3ヶ月トピック英会話」(2007年1月号)20頁

トゥルー・ブルーから1990年代前半へ

3作目のアルバム『トゥルー・ブルー』(1986年)は自らプロデュースしたものです。「パパ・ドント・プリーチ」は、出来ちゃった結婚に悩む少女の告白として人気を呼びました。

True Blue (Reissue)
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網タイツの定着

次の写真は1987年にポンティアック・シルバードームで行なったライブ・パフォーマンス。『トゥルー・ブルー』からの一曲「オープン・ユア・ハート」です。

1987年にポンティアック・シルバードームで行なったライブ・パフォーマンス。

1987年にポンティアック・シルバードームで行なったライブ・パフォーマンス。 via This Just In: Rift separating Madonna, Bay City evident in filmmakers’ tour of Material Girl’s birthplace | MLive.com

カラー・タイツが脚と呼応して完璧なマドンナ・ルックスを形成しましたことは述べました。『トゥルー・ブルー』の「オープン・ユア・ハート」からマドンナの脚とタイツは網タイツに変わっていきます。

アルバムの連発と『ライク・ア・プレーヤー』の破壊力

以後、『ライク・ア・プレーヤー』(1989年)、『エロティカ』(1992年)、『ベッド・タイム・ストーリーズ』(1994年)と、立て続けにセクシャルなテーマを真っ向から扱うようになります。

マドンナと燃える十字架

マドンナと燃える十字架 via Madonna And The Burning Crosses – March 3, 1989

公的にも問題が生じます。名前の「マドンナ」は聖母マリアのことを指すため、保守的なキリスト教団体などの不興をしばしば買っています。4枚目のアルバム『ライク・ア・プレーヤー』の同名シングルではPVで大胆にも十字架を燃やす演出をして世界的規模で宗教議論を巻き起こしています。

このスキャンダルにマドンナは次の一言で終焉させました。

十字架ってセクシーだわ、だって裸の男がついているのよ。(ミック・セント・ミッチェル監修「マドンナ語録―時代を生き抜く女の言葉」富原まき江訳、ブルース・インターアクションズ、2006年、132 頁)〔amazon.jp

脱セックスシンボル宣言から2000年代

1990年代は映画面で評価され始めます。『ディック・トレイシー』(1990年)、『エヴィータ』(1996年)はサウンド・トラックも含めて高い人気を呼びました。『エビータ』はミュージカル映画で、主演のマドンナはゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞しました。

1994年にとりあえず脱セックス・シンボルを宣言します。セックス・シンボルとしてのマドンナの在り方が変わったのであって「脱」ではなかったと思えますが…。

1998年、8thアルバム『レイ・オブ・ライト』で、グラミー賞を受賞。シングル「ハング・アップ」が米ビルボードHOT100で36曲目のTOP10入りを果たし、ビートルズを抜き、エルビス・プレスリーに並びました。

セックス・シンボル以外のアピール

2003年のアメリカのイラク侵略戦争をミュージシャンや芸能人たちの中で真っ先に反対し、同年に挑発的で戦闘的なジャケット写真のアルバム『アメリカン・ライフ』を発表。

キューバ革命のゲリラ戦士チェ・ゲバラを模したそのファッションは、折しも侵略戦争の激化と相まって放送を自粛するなど話題には事欠きませんでした。

チェ・ゲバラをイメージしたアルバム「アメリカン・ライフ」

チェ・ゲバラをイメージしたアルバム「アメリカン・ライフ」。via Madonna Wallpapers: 2000s | all about Madonna

2004年には、イギリスのミュージックシーンに多大な影響を及ぼしたアーティストとして「Music Hall of Fame(音楽の殿堂)」に殿堂入り。

2006年、マドンナ自身通算6度目となる2年ぶりのワールドツアーをスタート。9月中旬頃には13年ぶリとなる日本公演が東京と大阪で実現しました。

新たなセックス・シンボル

2010年代、マドンナのファッションが一気に奇抜になります。ダンスを軸としたレオタードと男性支配を軸としたボンデージです。

レオタード

まずダンス・ミュージックを前面に出したアルバム「コンフェッションズ・オン・ア・ダンスフロア」では「ハング・アップ」で桃色ミニ・レオタード、「ソーリー」では銀色ミニ・レオタードを十分に披露しました。

「ソーリー」では「俺イケてる」と思っている男性たちをことごとくバンに載せて何人もの女性の前で翻弄する場面がありました。このような男性を下位に置く場面はこの頃のライブでも頻繁にみられる場面となっていきます。

このレオタードは脚部と臀部を強調しました。次のボンデージ・ファッションは臀部をさらに強調します。

ボンデージ・ファッション

まずは「ハーパース・バザー」誌2013年11月号。

マドンナはボンデージと呼ばれる新しい衣装うんどうをリードしていく

マドンナはボンデージと呼ばれる衣装を新しくリードしていく via Madonna to premiere a new workout called Bondage

この特集でマドンナは網タイツの上にサイハイ・ブーツ。注目は今まで余り露出してこなかった臀部。

次いで「V Magazine」誌に掲載されたケイティ・ペリーとのツーショット。この場面は露出よりも主従関係。

マドンナ ケイティ・ペリー ボンデージ写真 ヴイ・マガジン 2014 8月号

マドンナとケイティ・ペリーのボンデージ写真 「ヴイ・マガジン」2014 8月号 via Gossip | Katy Perry and Madonna get pretty saucy on a bondage-themed photoshoot – entertainment.ie

女性同士の主従関係(サド・マゾ)が衝撃でしたが、この頃を機にマドンナにはボンデージ・ファッションが定着していきました。男性を支配し、女性同士は主従関係が流動的であるというマドンナのジェンダー表現、なかなか素敵だと思います。

近年の活動

絵本作家

近年は絵本作家として活動幅を広げ、「イングリッシュ・ローズィズ」「イングリッシュ ローズィズ2」「オカネ・モッチャが見つけたしあわせ」「ピーボディ先生のりんご」「ヤコブと七人の悪党」などをあいついで出版。世界中で翻訳され、世界中の親子を魅了しています。

14枚目のアルバム「マダム・エックス」

マドンナ(Madonna)は2019年6月14日に14枚目のスタジオ・アルバム「マダム・エックス」(Madame X)を世界中で発売。このアルバムについては「マドンナ新アルバム「マダム・エックス」関連ニュース」をご参照ください。

シングル曲クレイヴのビデオ撮影時のマドンナの写真です。X印のついた紺色の眼帯を付けて、タイトな紺色ベースの服を着ている画像です。

クレイヴのビデオ撮影時のマドンナ。 via Madonna – 投稿

一番好きなアルバム

1990年代からマドンナは男性ダンサーをたくさん使うようになりました。

オッサン的にマドンナ単体のパフォーマンスが好きです。あるいはオープン・ユア・ハートのライブに連れてきた少年ダンサーくらいに留めてほしいところ。

そして、女性ダンサーが増える2010年頃まで、マドンナから離れました。マイベストは先に書いた女性の男性支配という点が面白いと感じた『コンフェッションズ・オン・ア・ダンスフロア』に尽きます。

マドンナ・ベストテン

マドンナの曲で好きな10曲を無理やり選びました。ランキングをする私の状況によって、しばしば変動するかもしれません。2019年6月1日現在は下のとおりです。

  • 10位:ドレス・ユー・アップ(Dress You Up)…初期マドンナの中で強めの曲。『Like a Virgin』収録。
  • 9位:ライク・ア・ヴァージン(Like A Virgin)…『Like a Virgin』収録。
  • 8位:オープン・ユア・ハート(Open Your Heart)…「トゥルー・ブルー」収録。
  • 7位:マテリアル・ガール(Material Girl)…『Like a Virgin』収録。
  • 6位:イントゥ・ザ・グルーヴ (Into The Groove)…映画『マドンナのスーザンを探して』サウンドトラック収録。
  • 5位:リブ・トゥ・テル(Live to tell)…リズムの歌い方も綺麗な曲だと思います。「トゥルー・ブルー」収録。
  • 4位:アメリカン・ライフ(American life)…題名から騒々しさを想像しましたがゆったりしたものでした。『アメリカン・ライフ』収録。
  • 3位:ハング・アップ(Hung Up)…出だしがミステリアス。『Confessions On A Dance Floor』 収録。
  • 2位:ギヴ・ミー・オール・ユア・ラヴィン(Give Me All Your Luvin’)…リズムが楽しすぎます。プロモーションビデオもなかなか勝ち誇っていて心地いいです。『MDNA』収録。
  • 1位:ソーリー(Sorry)…最初の台詞が終わった頃から始まるリズムが好き。プロモーションビデオでは調子こいてる男性たちを嘲笑うようなテーマで面白い。『Confessions On A Dance Floor』 収録。

関連リンク

キリがないので1つだけ。

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