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グレタ・ガルボのウジェニー・ハット

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グレタ・ガルボの映画は第3作『肉体と悪魔』(1927年)でヒットしました。
その後『ロマンス』でガルボ・ハットと呼ばれる帽子のイメージが定着しました。正確にはウジェニー・ハット(EUGENIE HAT)と呼ばれるもので、駝鳥の羽毛で飾られ、帽子のひさし(ブリム)を巻き上げたものです。
『ロマンス』上映後、世界中で グレタ・ガルボのウジェニー・ハット が流行したと言われています。

グレタ・ガルボのウジェニー・ハット:Greta L Gustafsson aka Greta Garbo for "Flesh and the Devil" (1926)

Greta L Gustafsson aka Greta Garbo for “Flesh and the Devil” (1926)


上の写真は『肉体と悪魔』のプロモーション用の写真です。ウジェニー・ハットは片方の目に傾けて被り、両側のひさしは鋭く巻きあげられます。馬に乗るカウボーイの帽子のように羽毛が後に流れるものもあります。
ガルボの被るウジェニー・ハットは、1930年代当時「ヒステリックに人気があった」と言われています。彫刻や石膏になぞられるのはグレタの顔の堀が深いのが一因ですが、そこに片目を見えにくくする帽子を被ると、堀をさらに深める効果を果たすと思います。
ウジェニー・ハットを被る彼女の視線は一層曖昧になり、そもそも何処にも視線を向けていないのではないかという不安にすら駆られてしまいます。
グレタ・ガルボは1941年の『奥様は顔が二つ』を最後に引退します。女優の仕事を短期間で終えたために、ガルボとその衣装は強烈な残り香を捲いていきました。たとえば、1988年にジョルジオ・アルマーニはガルボのイメージを自分の商品広告に登場させています。

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グレタ・ガルボの印象

グレタ・ガルボの映画を一度も見ていないまま彼女について述べるのは恐縮ですが、あの彫刻というべきか石膏というべきか、独特の表情に惹かれて家中の文献を漁っています。グレタ・ガルボ→カトリーヌ・ドヌーヴ→岩下志麻→ブリジット・リンという石膏系統の女優に一番心を持って行かれるので、文献からガルボのイメージを一旦捉えました。

グレタ・ガルボの顔

グレタ・ガルボ(Greta Garbo、1905-1990)は、スウェーデンのストックホルム生まれの映画女優です。かつて、ロラン・バルトはグレタ・ガルボの顔を観念と称しました(「グレタ・ガルボの顔」をご参照ください)。その時、オードリー・ヘップバーンの顔を事件と称して対比しています(ロラン・バルト『神話作用』)。
1920年代はフラッパ―時代と呼ばれ、ボブ・ヘア、円らな瞳、輪郭のはっきりした真紅の口紅が特徴的なモダンガールの象徴として、ハリウッド映画ではクララ・ボウ(Clara Bow)が人気を博していました。モダンガールの元祖でもあり、セックスシンボルの点でもマリリン・モンロー(Marilyn Monroe)の先駆けとなりました。そのモダンガール華やかなりし頃に、あらゆるものを凍り尽くす女優がスウェーデンからハリウッドへやってきました。それがグレタ・ガルボです。
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高橋暎一『モード・イン・ハリウッド―デザイナーと女優たち―』フィルムアート社、1992年

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いろんなファッション歴史の本を読んで何も学べなかった残念なファッション歴史家。パンチのあるファッションの世界史をまとめようと思いながら早20年。2018年問題で仕事が激減したいま、どなたでもモチベーションや頑張るきっかけをください。

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