Oops! It appears that you have disabled your Javascript. In order for you to see this page as it is meant to appear, we ask that you please re-enable your Javascript!

民族衣装絵事典 装いの文化をたずねてみよう

シェアする

広告

民族衣装絵事典 装いの文化をたずねてみよう

民族衣装絵事典 装いの文化をたずねてみよう : 本書は世界各地の民族衣装を紹介した本です。子供向けに絵図や写真を豊富に使っているので、民族衣装を理解しやすくなっています。

文章には全ての漢字によみがなが振られているので、親子で読んだり子供一人で読んだり、楽しく読めます。

国際理解に役立つ民族衣装絵事典 : 装いの文化をたずねてみよう

国際理解に役立つ民族衣装絵事典 : 装いの文化をたずねてみよう

高橋晴子監修、MCDプロジェクト編集、国立民族学博物館協力『国際理解に役立つ民族衣装絵事典―装いの文化をたずねてみよう―』PHP研究所、2006年

特徴

まず、本書の特徴は子供向けで分かりやすいことです。

次に、本書を勧める理由は民族衣装への偏見のない、平坦な理解にあります。序にあたる「みなさん、はじめまして」で監修の高橋晴子が書いているように、「いつもは、だいたいが洋服の生活」(2頁)というのはほとんど世界共通のことです。そして、「ジャケットなどの洋服が、民族衣装のなかに、うまく取りこまれていたりもします」(2頁)と、洋服の民族衣装への影響を明記している点は類書には見られません。民族衣装が変化していることをはっきりと記している点で高く評価できます。類書では民族衣装を不変・普遍のものと見てしまいがちです。

まず、日本を例にしますと、着物(羽織袴、留袖・振袖など)に浴衣が加えられていること、そして、藁で作られた手袋や草履も日本の民族衣装の一つとして区分していることが良い点です。また、着物の由来を呉服の言葉をふまえて中国南部としている地理的・時間的広がりも本書の優れた観点です。

次に、「エジプト」のコーナー。エジプトのベリーダンスが世界中に広まり、各地の踊りと融合していきました。他方でベリーダンスの衣装も各地に広まり、それとともに衣装に変化が見られるようになります。

本書の楽しい点は民族衣装の変貌を難しく説明せずに、ベリーダンスのダンサーを描いたイラスト「カイロの踊り子」(1876年)、映画「バグダット」の宣伝ポスター(アメリカ、1949年)、2003年のカイロ国際ベリーダンス・フェスティバルでのダンサーたちの写真、同じく近年の日本あたりで写されたと思われるプロ用のベリーダンス衣装、パリのベリーダンス教室が開催した発表会と、一つの衣装を時間も色々、地域も色々、多角的に捉えている点が素晴らしいです。

このように分かりやすい説明文に各地・各時代の衣装を紹介しているため、衣服だけでなく、帽子や靴や指輪などのアクセサリーもたくさん見ることができます。

本書のメッセージ

最後に、本書の意図も素晴らしいです。「みなさんも頭をやわらかくして、民族衣装の旅にでてみてください」(3頁)というメッセージが温かく、海外旅行の一つに民族衣装への関心を加えたい気持ちになります。

各民族衣装を固定せずに融合すると考えるからこそ、人の装い(身装)を自由自在なものとして考えられますし、各地の知恵や文化を楽しめるのです。後半には本書の協力者である国立民族学博物館の民族衣装展示部門の詳しい紹介や民族衣装やアクセサリーのデータベースの紹介があります。

現在は同館データベース内で次の項目が用意されています。インターネットでも民族衣装を楽しんで下さい。

服装・身装文化資料

高橋晴子監修、MCDプロジェクト編集、国立民族学博物館協力『国際理解に役立つ民族衣装絵事典―装いの文化をたずねてみよう―』PHP研究所、2006年