貫頭衣からテーラリングへ : 大丸弘「西欧型服装の形成」を読む

貫頭衣からテーラリングへ : 大丸弘「西欧型服装の形成」を読む

大丸弘「西欧型服装の形成」からの印象を部分的に要約。先週と今週で一番衝撃だったのは、貫頭衣の説。貫頭衣は原始的な衣服で、布を縦長(多分)に使って、真ん中を頭部程度にくり抜いてザックリ被った上体衣です。貫頭衣の普及からTailoring技術の形成まで、ヨーロッパの裁縫の発生を丁寧に読み説いています。

ニュー・キモノ

ニュー・キモノ

ニュー・キモノとは、新たな発想で制作された現代和服の総称です。ニュー・キモノが着物として認識されるのは、着物の普遍要素・不変要素たる、袂のある広袖、平肩の袖(連袖)、打ち合わせの裾を含むためです。

和装の洋装化 : 羽織と下着の登場

和装の洋装化 : 羽織と下着の登場

このページでは、羽織、20世紀前半の下着、現代の下着の役割について 和装の洋装化 から考えています。20世紀になると、19世紀和服(着物)の持っていた綿入の習慣が消滅し、着物は薄着になりました。それに伴い、羽織やコートを着る習慣、および下着を付ける習慣が形成されました。

着物の写真 (1933年)をみて思うこと…

着物の写真 (1933年)をみて思うこと…

経済史、日本経済史などの研究で写真を安易に使うと、非常に恣意的で客観的では無いことが生じます。その事例として、ペネロピ・フランクスの論文を紹介しつつ、批判いたします。1920年代・1930年代の女性の姿勢はまだ、前近代を引きずっています(猫背など)。したがって、洋服を着ることで発生する「感覚疲労」を持っていたはずです。ですから、休みの日は繁華街へ(制約の小さい)和服・着物でショッピング、というプランが成立すると考えられます。

近代日本の導入した洋裁 : 大丸弘「西欧型服装の形成」を読む

近代日本の導入した洋裁 : 大丸弘「西欧型服装の形成」を読む

近代日本は 洋裁 のどの技術や物を導入したか? 大丸弘は、1900年頃から30年頃までの裁縫書を中間期裁縫書と名づけ、網羅的に調査して分析しています。1900年というのは、和服の形が洋服に近づき始め、また、日本人が洋服に慣れ始めた大転換の時期です。

参考文献一覧

モード、ファッション関係の記事を書く際に利用した 参考文献 を一覧にしています。辞典・事典、衣装系の人類学、衣服史・経済史(日本語、中国語、英語、独語)に分けています。 辞典・事典 サイト作成だけでなく日々の研究でもかな
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ファッション・ステージとしての銀座 : 今和次郎の見たもの

ファッション・ステージとしての銀座 : 今和次郎の見たもの

先日、妻が鎌倉に行ってきました。次の写真は2017年1月24日に七里ケ浜辺りの海岸から江の島に向けて写したものです。この海岸線と江の島の位置に、面食らいました。実際に見直すと随分と角度が違いますが、どこかで見た写真でした。たった2枚の写真について、私自身は行ったこともない江の島を想像し、ウダウダと写真について妄想します。

キモノ・スリーブの日本での誤用とファッション用語の限界

キモノ・スリーブの日本での誤用とファッション用語の限界

1920年代のヨーロッパで人気の出た、身頃と肩と袖が裁たれていない平連袖(連袖、中国語)に該当する日本語はキモノ・スリーブと日本では呼ばれ、この言葉は1920年代の発生直後から他ならぬ日本で誤用されてきました。キモノ・スリーブの日本での誤用をはじめ、キモノ・スリーブを取り巻くファッション用語を整理します。

旗袍変容の諸説と限界

旗袍変容の諸説と限界

民国期の旗袍は洋服や洋裁技術から影響を受けました。清朝期の旗袍から民国期の旗袍へ変容した点を述べた諸研究の傾向をまとめ、そこから分かる「旗袍変容の諸説と限界」を指摘しています。その上で、閉塞的な研究状況を打開する観点を述べています。

旗袍の洋服化

旗袍の洋服化

旗袍が導入した洋裁技術内容について、スリム化およびボディ・コンシャス化(旗袍の洋服化)の観点からまとめています。清朝期旗袍にみられた防寒用綿入の習慣が民国期に消滅したことはスリム化とボディ・コンシャス化の大きな前提条件となっています。和服も同様です。旗袍のスリム化とボディ・コンシャス化は民国期に生じました。

モードとモデラート

モードとモデラート

モードと名前の付いた学校や商店は色々あります。どのような形にせよ、モードはそのつど最新の規準を刻みます。このページでは、服飾で最も重要かつ最も漠然としたモード(mode)について、モデラートとの関係から考えています。

恋のエチュード : 概要と恋の結末

恋のエチュード : 概要と恋の結末

フランソワ・トリュフォー『恋のエチュード』から、女性が男性に発する必殺の台詞について述べています。フランソワ・トリュフォー『恋のエチュード』(1971年、フランス)は一人のフランス人男性と二人のイギリス人女性に湧いてくる恋の映画です。原作の影響から、3人の日記を読み進める形で映画が進みます。描かれる恋は恋の障害といわれ、かなりチグハグに進展していきます。

モード とファッションの関係

モード とファッションの関係

フランス語と英語をかけあわせて, モード と ファッション の関係を考えています。「モードとモデラート」で述べたように、20世紀後半に日本で洋裁が大流行した時、日本で先鞭を切っていた服飾研究者や衣服設計師たちは、挙って高級品や一品物の流行をモード、汎用品・量産品・低級品の流行をファッションと捉えました。