スから始まるファッション用語

スコッチ…スコットランド(風の)、スコットランド人の意。多く、イングランドの中部と南部で用いられる語で、スコットランドやイングランドの北部では、スコティッシュやスコッツを用いることが多い。ファッション用語としては、スコットランドの民族服の特徴をもった服装の総称。スコッチ・ツイードの省略語としても用いられる。男性は、キルトとよばれるタータン地の短いプリーツの巻きスカートを穿き、ビロードか毛織物の短上衣で、大きなブローチで留める。スカートの前面にスポーランを付け、タモシャンターというベレー型の帽子を被る。

スタイリスト…スタイルを作る人の意。服飾関連の職種は以下のとおり。(1)テキスタイル・メーカーやアパレル・メーカーで、オリジナル・デザイン、カラー、生地などを自社のポリシーをもとに売れ筋のものにアレンジする人、(2)ファッション雑誌などのジャーナリズムで編集テーマに沿ってしかるべきアパレルをコーディネートし、紙面づくりに協力するする人、(3)広告写真や芸能関係において、モデルやタレントの衣裳を担当する人、(4)ファッション・ショーの演出スタッフの一員で、モデルが着装するドレスを管理し、必要に応じてアクセサリーなどをコーディネートする人。

スティリスト…英語のスタイリストにあたるフランス語。ただしフランスでは、おもにプレタ・ポルテ企業の代表デザイナーのこと。またオート・クチュールではオリジナル・デザインを考案する人のことをいい、モデリストの助手役の人のことをいう。

スティレット…もとはイタリア語で尖った短剣のこと。先端が細く尖っているヒールを指す。オートクチュール全盛の一九五〇年代に、エレガントな服装と合わせて用いられた。スパイクヒールも同じ。和製英語のピンヒールのこと。

ストリート・ファッション…街で自然発生的に生まれて流行するファッション。デザイナーやアパレル企業が生みだすファッションに対抗的な意味合いがある。ストリート・カジュアルともいう。このファッションに身を包む若者は、ストリート・キッズとよばれる。元々は、反体制的な意識が強く、本格的な登場は第二次世界大戦後。1950年代のパリで実存主義を信奉する若者(エグジスタンシャリスト)が、タートルネックセーター、細身のパンツ、靴を全身黒でまとめて集まったのが発端。1960~70年代、社会の変化とともに、若者がファッションの主導権を握りはじめ、ヒッピー・ルック、パンク・ルックなど、反体制的なファッションが流行。保守的で高級化に向かった80年代を経て、90年代に再び人気が急上昇し、グランジ・ルック、だらしな系のスポーツ・ルックなどが台頭。以後は、ファッションといえば街から発生するようなイメージが定着した。

スニーカー…米語でゴム底のズック靴(運動靴)。「こそこそ歩く」という意味の英語の動詞から、歩いても音がしない運動靴の名詞となった。1970~80年代のエクササイズブームでタウンシューズとして認知されたが、90年代に入るとナイキ社のハイテクスニーカー「エアマックス」や「エアジョーダン・シリーズ」が大人気となり、数十万円ものプレミアが付く商品が続出した。現在、スニーカーは広くタウン用として市民権を得た。

スパ…SPA。衣料品の企画から生産、販売までを、一つの企業が行う業態。1980年代後半、GAPが提唱し、日本では90年代半ばから導入された。ユニクロを展開するファーストリテイリング(本社・山口市)のように、小売りが衣料品の製造に手を広げるケースもある。

スパンコール…金属やプラスチックの小片で、中央の穴に糸を通して布に留めつける装飾品。スパングル、シークイン、パイエットの別名がある。光を受けて輝き、ドレスやアクセサリーなどに使われる。手工芸風のファッションの流行に伴い、新たに注目を集めている。

スポーツウェア…スポーツ競技やスポーツ観戦用の服装の総称で「運動着」の名をあてたもの。1930年代のアメリカで発生した用語。とくに、前者の場合は、各スポーツの規定・ルールで形態が定められた場合がほとんど。後者は、イン・フォーマルな日常着もふくめ、カジュアル・ウェアと同義で使用される。この場合、カジュアルな単品(ブラウス、シャツ、ベスト、ジャケット、パンツ、スカートなど)をいい、前者、すなわち、アクティブ・スポーツウェア(スポーツするときの「運動着」)とは区別される。ブランド界では、1987年の春夏ニューヨーク・コレクションで「クリーン」「ファンクショナル」「スポーティ」をテーマにした作品が次々に発表された。ジャンポール・ゴルチエの未来派風のスピード感溢れるスタイル、ジャスパー・コンラン、ティエリー・ミュグレル、シャンタル・トマスのアメリカン・スポーツウェアなどである。これらは、ホールター・ネック、ミドリフ・トップ、落下傘スカート、バーミューダ、デニムやキャラコやギンガムなどの素材、ジッパー、リベットの空きなどを特徴とした1950年代のアメリカの既製服、すなわち、ジ・アメリカン・スポーツウェア(定冠詞 the に注目)の再来であった。第2次世界大戦までのアメリカのモード界では、パリのオートクチュールがファッション・リーダーとされており、アメリカ独自のファッションが停滞していた。大戦勃発後にパリからの衣服の輸入が停止し、アメリカ独特のスタイルが必須となり、クレア・マッカーデル(1905~1958年)らの活躍をみることとなった。マッカーデルは、1942年にダイアパー水着(おむつパンツ水着)、ラップ・ドレス、1943年にレオタード、1944年に街着用のバレリーナ・シューズなどを続々と発表。他にも、ホールター・ネック、デニムとデニムのステッチなど斬新なアイディアにあふれた作品を発表した。いうまでもなく、マッカーデルのアイデアの源は、アクティブ・スポーツウェア。以後、セパレートで、身体にフィットする動きやすいマッカーデルのアイデアは、アメリカの既製服の基本原則となる。1986年にニューヨークのファッション工科大学(FIT)で開催された「スリー・ウィメン」とよばれる展覧会では、マッカーデルの作品をはじめ、マドレーヌ・ヴィオネ、川久保玲の作品が展示された。

スリップ…服の滑りをよくするために着られ、キャミソールの丈を長くしたような下着。古くからあった肌着、シュミーズが廃れようとした1920年代に登場し、日本では現在も混同されることが多い。

スリット…切り込み、割れ目、長い切り口などの意。線に沿って細長く切り開くというニュアンス。ファッション用語では、袖口、衿もと、ジャケットやスカートの裾などに開けられている長い切り込みのこと。スリットは装飾性や運動量を持たせるために入れる。おもに縫い目の先を縫い離して、長く開けておくことが多い。装飾的に開けることも多いが、スリムなシルエットの時には、運動量の補いのために開けることもある。通常、開き部分での重なりがない。〔詳細は「スリット : slit」をご覧ください。〕


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[投稿日]2017/02/18
[更新日]2017/05/29