ノーマン・ハートネル : 王室と映画に貢献したデザイナー

ノーマン・ハートネル : 映画と王室への貢献

ノーマン・ハートネル Norman Hartnell は、イギリスのファッション・デザイナー。その仕立店は、ノーマン・ハートネル株式会社(Norman Hartnell Ltd.)で、1930年からイギリス映画に衣服を提供。

ノーマン・ハートネルはイギリス王室お抱えのモード界の重鎮でもあります。王室お抱えゆえ、テーラード・スーツ、コート、刺繍の綺麗なイブニング・ドレスなど、優雅で品位のある作品が特徴的。流行を超えた高質な衣服制作だけでなく刺繍も抜群で、ジョージ5世夫人のメアリー王妃、エリザベス女王たちを魅了しました。

主催 : ノーマン・ハートネル, 第二次世界大戦下, 女性向け実用ドレスの初コレクション。
第二次世界大戦下、女性向け実用ドレスの初コレクションが、ノーマン・ハートネルの設計によって実現した。1942年5月14日、ロンドンのブレンハイムにあるバーカーテクス・ショールームにて。ドレス類は退屈さを避けるよう設計され、12色で制作されていたため、各モデルに120ものヴァリエーションを表現させた。 “The first collection of utility dresses for women, designed by Norman Hartnell, are shown on May 14, 1942, at the Berkertex showrooms in Blenheim Street, London. The dresses are designed to avoid dullness and are obtainable in twelve colors, thus permitting 120 variations of each model. (AP Photo)” via The CC41 ‘Pac-Man’ Utility Label in Wartime Britain. |

ノーマン・ハートネルの経歴

ノーマン・ハートネルは、1901年、ロンドン生まれ。ケンブリッジ大学のマグダレン・カレッジ卒業。ケンブリッジ在学中に、大学の演劇クラブの舞台衣装を手がけたことが、ロンドンのジャーナリストの目に留まる。ノーマンは自身のデザインの才能を納得させられ、ケンブリッジを即刻中退し、当時マダム・デシリーと呼ばれたロンドンのドレスメーカーに就職。そこは3ヶ月で退職しましたが、自分がデザイナーの道に進むことは正しいと確信。

ノーマン・ハートネルの独立と展開

その後、ルシルや、エスターと呼ばれた店などを短期間に転々とし、1923年または1924年に、ノーマン・ハートネルは自身の名を冠したサロンをバートン・ストリートに開店しました。1927年、有名な女流作家でダイアナ妃の義理の母親の実母にあたるバーバラ・カートランドのウェディング・ドレスを作成。1935年には、グロスター侯爵夫人となったレディ・アリス・モンタギュー・ダグラス・スコットが、ウェディング・ドレスを依頼。ヨーク侯爵の服のドレス・メーカーとなったのもこの頃で、1930年代にイギリス王室お抱えドレスメーカーとしての地位が確立。以来、数十年にわたって、女王をはじめ、ほとんどの王室の貴婦人たちのウェディング・ドレスを手がけ続けたのです。

この写真はノーマン・ハートネルの店舗の様子。店舗で働く女性たちは、女王の戴冠式ドレスがバッキンガム宮殿へ配達される瞬間を見つめています。この写真は1953年6月13日に撮影されたものです。

また、ノーマン・ハートネルは王室御用達という面だけでなく、舞台衣装・映画衣装のデザイナーとしても活躍。ノエル・カワード・プロダクションの演劇に向け、ミスタンゲット Mistinguett やマレーネ・ディートリヒらに衣装を提供。また、エリザベス・テーラー主演の『去年の夏突然に』(59年)をはじめ、1930年から63年までの間に、彼が衣装を手がけた映画は21本に及びます。

1927年・1930年、ロンドンからの最初のクチュリエとして、ノーマン・ハートネルはパリでファッション・ショーを開催し成功。この時、アメリカとカナダのバイヤーから大量の発注を受けました。この頃、短期間、当時有名だったデザイナーのルシルのもとで働きました。1930年に独立、ロンドンに店をオープンし、これはやがてロンドン最大のクチュール・ハウスに発展した。また、第2次世界大戦中には、イギリスのデザイナーとして、初めて、ホール・セール・システムを取り入れた。その大戦中、ノーマン・ハートネルは、英国赤十字、英国陸軍軍需品補給女性部隊、婦人警官の制服を担当。また、物資不足を考慮し、エリザベス女王の衣装デザインですら、刺繍を使わずに、手でペインティングしました。

1942年にロンドン・ファッション・デザイナー連盟 The New Incorporated Society of London Fahsion Designers が設立されました。ノーマン・ハートネルは設立当初からの会員でした。

戦後の1953年、エリザベス女王の戴冠式に、コロネーション・ガウン(戴冠式ドレス)をデザインし、ヴィクトリア勲位を授与(エリザベス女王のウェディング・ドレスもノーマン・ハートネルの作品)。これが先に紹介した写真です。1957年には、エリザベス女王がフランスに公式訪問する際にも、エリゼ宮の晩さん会とオペラ座の夕べの席で、ノーマン・ハートネルのイヴニング・ドレスを来ました。1970年代、レザー、毛皮、メンズウェアに進出。1977年3月、王室への50年間にわたる長期サービス、イギリス・ファッション界への貢献を踏まえ、サーの称号を授与されました。他に、ニーマン・マーカス賞受賞。79年死去。

2004年7月、ケンジントン宮殿で、エリザベス女王のワードローブを中心に展覧会が催され、彼女が1956年から1972年までに着たノーマン・ハートネルの作品9点も展示されました。

ノーマン・ハートネルの弟子たち

ノーマン・ハートネルの店で働いたデザイナーには、マルク・ボアン(1989~1992年)や鳥丸軍雪(とりまる・んゆき;1960年代後半)らがいる。ジーナ・フラッティニ(Gina Fratini)もその一人で、1990年代からノーマン・ハートネルの店で働いているデザイナー。主に、ウェディング・ドレスとイヴニング・ガウンに魅力を発揮しています。

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[投稿日]2017/02/18
[更新日]2017/05/30