モードの世紀では、ファッションやブランドの歴史と現在を多角的に探っています。



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モードの世紀「ファッション用語〜1日1個」Vol.41 ------  2004年1月22日(木)
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今日の用語【ルチアーノ・ベネトン - Luciano Benetton】
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みなさん、今日はめちゃくちゃ長いです・・・。本当に長いです。


【ルチアーノ・ベネトン - Luciano Benetton】(1935年〜)
                       *ベネトン社は1955年〜

イタリアのカジュアル衣料ブランド。正式名称は「ユナイテッド・カラーズ・オブ・ベ
ネトン(UNITED COLORS OF BENETTON)」。

 1935年、ルチアーノ・ベネトン、イタリアのトレヴィゾに生まれる。1955年
、初めてのコレクション『トレ・ジョリー』(今のベネトンの前身)を発売。これを機
に、妹ジュリアーナ・ベネトンの協力によりベネトン誕生。

 当時のイタリアでは、セーターは第一に高価格なイギリス製、第二に家庭内で母親や
娘が編む手編み、最後が品質の劣る器械編みの3種類しかなく、さらに英国調の地味な
色がほとんどであった。そこに目をつけたルチアーノとジュリアーナは36色の色鮮や
かなセーターの生産を開始。彼等が市場に送り出した斬新でカラフルな商品は若者を中
心に爆発的な人気を呼ぶ。

 1965年の春に最初の工場が完成し、夏には最初の単独ショップ『マイ・マーケッ
ト』がイタリア・ベッルーノにオープン。また、会社名をトレ・ジョリーから『ベネト
ン』へ、ブランド名も『ベネトン』へと変更し、ロゴ・マークを発表。69年にはヴィ
ラ・ミネリを購入、修復・改装を始め、国外第一号店をパリ、サン・ジェルマンにオー
プンした。72年に子供ブランド『012(ゼロ・ドディチ)』を発表。74年には『
ジーンズ・ウェスト』ブランドを発表し、同名の単独ショップをパドヴァにオープン。
この年にはフランスのブランド『シスレー』を買収し、イタリア国内800店舗、国外
100店舗を突破という躍進を遂げている。この頃のベネトンの躍進の理由は、ウール
・セーターでは困難とされていた後染めに成功し、過剰な在庫を抱えることなく市場の
動きを見ながら即座に売れ筋商品の納品を可能としたことが大きい。

 77年にロンドン第一号店をサウス・モルトン通りにオープン。翌年にはフランス国
内で200店舗を突破。79年にはニューヨークに米国第一号店をオープンするなど、
ベネトンの世界制覇は留まることを知らない。スポーツウェアへの傾倒は、トレヴィゾ
・バスケットボールチームの公式スポンサーになることで明瞭に。このときチーム名を
『ベネトン・バスケット』と改名している。

 さて、80年代のベネトンには日本進出、F1スポンサー、センセーショナルな広告
という3つの特徴がある。まず80年に日本における生産・販売を西武・セゾングルー
プと共に行う契約を結び、翌81年にはルチアーノ・ベネトンが初来日を果たすなど、
本格的な日本進出を行なっている。85年5月にはベネトン・ジャパン株式会社(英文
表記 Benetton Japan Co.,Ltd.)を設立。名誉会長ルチアーノ・ベネトン、代表取締役
シルバーノ・カッサーノ、代表取締役社長ファブリツィオ・デナルディスのメンバーで
本格的な日本進出を果たした。87年には日本でライセンス事業を開始。

 つぎにF1では、82年にF1ティレル・チーム、83年にアルファ・ロメオ・チー
ムのスポンサー。85年にはトールマン・ハート・チームを買収し、ベネトン・チーム
を結成している。86年にメキシコシティーのF1・グランプリでベネトン・チームが
優勝している(ドライバーはゲルハルト・ベルガー)。

 また、1982年から2000年までアートディレクターに起用された写真家オリビ
エトロ・トスカーニ(Oliviero Toscani: 1942-)がベネトン・グループの会長ルチアー
ノ・ベネトンとともに、84年から社会的テーマを鮮明にした広告でセンセーショナル
な話題も提供している。誰もが無関心でいられないような社会的なメッセージ、しかも
広告においてタブーとされてきたものを曝すというメッセージを発信しつづけた。85
年にはアメリカ国内で500店舗を突破している。

 また、88年、下着ブランド『アンダー・カラーズ』をロンドンで発表、ベピー服ブ
ランド『ゼロトンド』を発表、香水『コロール・ドゥ・ベネトン』をパリで発表。また
カイロ第一号店をオープン。翌89年にはニューヨークの株式市場に上場し、イタリア
のスキーブーツメーカ、ノルディカの株を7割を購入。

 90年代になってもベネトンの世界制覇は猛進をつづけた。90年4月モスクワに最
初のベネトンショップをオープン。またノルディカ、アメリカのインラインスケートメ
ーカー、ローラーブレード社、アメリカのテニスラケットメーカー、プリンスを買収し
た。91年オーストリアのスキーメーカー、ケスレーを買収、原料自前のためパタゴニ
アに大牧場を購入。なお、この年F1ではミハエル・シューマッハがベネトン・チーム
に移籍している(94年にシューマッハはドライバーズ・チャンピオンのタイトルを獲
得)。92年には、ルチアーノ・ベネトンが国会上院議員に選出され、93年ベネトン
の店舗数が世界で8000店を突破した。さらに、アウトドア用靴メーカー「アゾロ」
、スノーボード・サングラスメーカー「キラーループ」を買収し、ベネトン・スポーツ
・システム社を創立。

 96年、ローラーブレード社の株式一部を、ニューヨーク・ロンドンの株式市場に上
場。新素材206を開発し生産を開始した。また新配送コンピューター・システム『ロ
ボストア2000』を始動させ、マタニティーブランド『マンマ・オブ・ベネトン』を発表
。97年にはスポーツウェアブランド『プレイライフ』を発表し、日本では『ベネトン 
ジャパン株式会社』と社名変更。さらに、ユナイテッド・コンドームズ・オブ・ベネト
ンを発売。翌98年にはアゾロを売却、ヴィラ・ロレダンが改装終了、スポーツ関連オ
フィスが集結し、プレイライフ第一号店がイタリア・ボローニャにオープン。99年、
アメリカの大手小売店シアーズ百貨店をパートナーとし『ベネトンUSA』コーナーを
シアーズ450店に1800ヶ所設置。

 2000年3月には、それまで成績の振るわなかったF1チームをルノーに売却。5
月にはオリビエーロ・トスカーニがベネトンを辞任。やや躍進に陰りがみえたと思われ
た6月、シドニーオリンピックにてナショナルイタリアチームのオフィシャルウェアに
選ばれる。9月に『ファブリカ』の施設が完成し正式にオープン、12月には日本初の
メガストアが表参道にオープンした。

 ベネトン社の主力ブランドとしては、レディス、メンズに加え、子供服、マタニティ
服が挙げられる。サイズも多様で、ベネトンが得意とするカラー・バリエーションは豊
富。あわせて、靴や眼鏡、バッグに加えて、使い捨てカメラや文房具など、「ユナイテ
ッド・カラーズ・オブ・ベネトン」の商標をつけたライセンス・ビジネスは多岐にわた
る。また、ベネトン・グループの別ブランド「シスレー」は唯一パリのアバレルメーカ
ー、シスレーから買い取ったものである。さらにベネトン・グループは、グループ拡大
戦略の鍵をスポーツ分野と位置づけ、オリジナル・ブランド「プレイライフ」を基幹ブ
ランド「ベネトン」に次ぐ戦略として、若者のあらゆるライフスタイルに照準をあわせ
た新領域を開発している。

 ベネトンが世界制覇を実現した要因は、購買行動を促させるための通常の広告とは趣
が異なった、独特な広告戦略にあった。商品そのものの宣伝広告はショーウインドーで
見せることが一番だという判断で、商品そのものや説明を一切登場させず、人々へさま
ざまな問題提起を投げかけるメッセージによって、ベネトンのブランド・イメージを強
めることを目的としていた。

 また、経営面の斬新な展開も見逃せない。ビジネスの拠点となる販売網が急速に広が
った成功の秘訣は、それぞれの地元の経営者に販売を任せるという形式、つまりフラン
チャイズ・チェーンを採用したことにある。とはいえ、ベネトンのフランチャイズは、
上からの押し付けでなく、各自がその場での判断で販売ができるというもの。そのため
に地域別にレップ(販売代理人)と呼ばれる営業サポート制度を採用し、各地域での営
業活動を取りまとめ、店鋪開発やショップ指導、商品発注などを行っている。

 さらに1999年から世界各地で大型店「メガストア」を開店し、直営店でブランド
・イメージを高めることと消費者ニーズを捉えることで、フランチャイズ店に還元しよ
うとしている。これらすべての店舗への商品をサポートするために、南米パタゴニアに
ベネトンの運営する牧場があり、ここから製品の素材が確保されるほか、イタリアのカ
ストレッティにある世界最大級の生産および流通基地の運用を行い、徹底的なコストダ
ウンに取り組んでいる。このカストレッティでは、1年あたりの衣料品の生産能力は約
8000万点、配送能力は1日あたり4万箱。これにより市場のニーズに的確、迅速な
対応が可能となっている。

 なお、ベネトン・ジャパンは、現在、大きく分けて「卸業務」「ライセンス商品の管
理」の2つの業務を行なっている。具体的には、「UNITED COLORS OF BENETTON.」「
SISLEY」等のブランド衣料品の輸入・卸売、「NORDICA」「KILLER LOOP」「ROLLERBLADE
」「PLAYLIFE」等のブランドスポーツ用品の輸入・卸売、及びライセンス管理業務など。

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【公式サイト】
・UNITED COLORS OF BENETTON
 http://www.benetton.co.jp/

・BENETTON GROUP S.p.A
 http://www.benetton.com/
 イタリアのポンツァノに本社をおく、ベネトン・グループS.p.Aのウェブサイト。ベネ
トンブランドの紹介やプレスリリース、株主向け情報などが掲載。

・FABRICA
 http://www.fabrica.it/
 ベネトン・グループのコミュニケーション・リサーチ・センター「ファブリカ」のウ
ェブサイト。最新情報や、ファブリカの活動、ワークショップなどの情報が掲載。

・SISLEY
 http://www.sisley.com/
 流行に敏感な人々をターゲットにした、DONNA(婦人服)、UOMO(紳士服)で展開して
いるイタリアン・ブランド。DONNAはセクシー&フェミニンをキーワードに、洗練された
女性の魅力を引き出すファッションを提案。UOMOは、トレンド感のあるデザインとアヴ
ァンギャルドさのミックスされたイメージが特徴。

・THE HIP SITE
 http://www.thehipsite.com/
 16〜20歳くらいのおしゃれに最も敏感であるピュアティーンをターゲットに絞った新
ブランド、「ザ・ヒップサイト」。鮮やかなカラーと個性的なデザインで、純粋にファ
ッションを楽しむティーンの魅力を最大限に表現しています。サイズ展開は日本のサイ
ズで5〜11号まで対応しているので、ファッションを楽しみたい大人の女性にもおすすめ
。   ・PLAYLIFE
 http://www.playlife.net/
 スポーツカジュアルウエアおよびフットウエアブランド。メンズ/レディースで展開。
最上級の機能性と心地よさをミックスした素材とデザインを常に提供。

・NORDICA
 http://www.nordica.com/
 スキーブーツブランドとしての長い歴史から、スキー板、ビンディング、スキーポー
ルまでスノーブランドとしてのトータルコーディネートを実現。

・KILLER LOOP
 http://www.killerloop.com/
 スノーボード、スケートボード、サーフボードといった3つの「S」をコンセプトに、
各スポーツ用品やフットウエアコレクションを展開。

・ROLLER BLADE
 http://www.rollerblade-jp.com/
 インラインスケートのパイオニアブランド。常にマーケットリーダーとして新商品や
新企画を開発。また、インラインスケートの普及活動も行っています。

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【関連書籍】http://mode21.typepad.jp/book/12_log.html

・ルチアーノ・ベネトン『ベネトン物語―革新的企業哲学はなぜ生まれたか』ダイヤモ
ンド社、1992年。

・ジョナサン・マントル、今野里美『ベネトンの世紀』産業編集センター、2000年。

・福原義春、ルチアーノ・ベネトン『対話―私たちが大切にしてきたこと』ダイヤモン
ド社、2002年。

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[マガジン名]ファッション用語〜1日1個
[マガジンID]0000121007
[発行周期]一日一回
[発行者]モードの世紀 ../
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