大阪産業大学「経済史」の方針をまとめています。本講義では、歴史への様々な接近方法を紹介しながら、19世紀に出現し21世紀にもなお進化を遂げるミシンについて、多様な側面を学びます。

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授業計画

  1. 授業の概要と基本用語の説明…授業の進め方や採点方法などを説明します。また、この授業で必要になる基本的な経済用語を説明します。
  2. ミシンの特徴と種類…家庭用ミシン、職業用ミシン、工業用ミシンといった区別をはじめ、ミシンの特徴と種類を説明します。
  3. ミシンの開発:19世紀的進化と20世紀的進化…ミシンは1850年代の米国で開発から製造販売にいたる実用化を遂げました。その後、19世紀後半に機能や動力を多様にさせていき、世紀末には縫製部分の進化を停止しました。20世紀に入るとミシンは新たな進化の段階に移ります。この経緯を説明します。
  4. ミシンの製造1:米国の特許戦争…1850年代から70年代にかけて、米国ではミシン製造会社が80社近くに増え、ミシンの製造販売に関する特許戦争が起ります。開発や法整備の関係から特許戦争を説明します。
  5. ミシンの製造2:独中日における模倣産業の展開と特許…ドイツでは1860年代から、中国では1910年代から、日本では1930年代から、アメリカ製ミシンの模倣を土台にミシンの国産化が進行します。特許に関する国際法に絡めて、ミシン国産化について説明します。
  6. ミシンの販売1:米国シンガー社の販売法…米国シンガー社は自社製品をどのように販売していたのか。直営店、代理店、ライセンス方式などについて説明します。
  7. ミシンの販売2:米国シンガー社の多国籍企業化…米国シンガー社は海外にも広く販売しました。製造拠点である工場と販売拠点である商店を海外に設置し、1920年頃には世界のミシンの8割を占めるにいたります。この点について、とくに貿易問題と関税に関連させて説明します。
  8. ミシンの利用1:軍服生産の戦時と平時…この150年間、ミシンは軍事利用された場合が多く見受けられます。ミシンと軍事史との関係を説明します。
  9. ミシンの利用2:工場と家…ミシンは縫製工場に設置され、衣服産業(アパレル産業)として、いろんな国で展開しました。また、家にも設置され、工場からの内職(家内労働)として、あるいは家事労働として利用されました。日本のを中心にミシン活用の事例を説明します。
  10. ミシンの利用3:男性と女性…ミシンを活用した人々を男性と女性に分けて、その類型を説明します。
  11. ミシンの利用4:ファッションの変化…20世紀転換期に、ミシンの普及によって、日本をはじめとするさまざまな地域では服装が変化していきます。この点を東アジア地域を例として説明します。
  12. ミシンの利用5:世界のアパレル産業…世界のアパレル産業はおおむね19世紀末頃から各地で勃興します。それ以前に進展していた地域も含め、19世紀と20世紀前半の世界アパレル産業の趨勢や特徴を説明します。
  13. ミシンの利用6:日本のアパレル産業…日本のアパレル産業は1990年代前半を頂点として衰退の途中にあります。日本のアパレル産業の戦後を中心に説明します。
  14. ミシンの現在…ミシンは現在、途上国のアパレル産業で多用されています。その反面、先進国では工場が減少し、また家内からもミシンが消えつつあります。この構造と意味を説明します。
  15. まとめ…授業全体を振り返りながら、21世紀のミシンを展望します。