JH日本の歴史|2006年度
どのファッション雑誌を見ても、特集ページには、ちょっと手を伸ばせば届く値段の商品が掲載されている。 しかし、広告ページとなると、既製品ですら決して手が届かないようなトップ・ブランドが、日本国内の本店・旗艦店の所在地・連絡先を記載するだけで、暖簾を出していることが多い。
ファッション雑誌は、その意味で、「手に入れることの商品」と「いつかは手に入れたい商品」との格差を縫い込んでいる。そもそも、ファッションは、衣服や装飾品、それらの流行現象、時代の価値観など、幅広い意味をもっている。漢字に注目してみよう。「服飾」の「飾」は、自分らしさや煌びやかさをイメージさせるが、「服」の方になると、違うイメージも出てくる。婦人服、紳士服、子供服、洋服、和服、制服など、「服」の付く言葉を上げると切りがないが、「服」には、征服、屈服、服従といった、闘争的な意味や権威的なニュアンスも含まれる。
本講義では、近代を中心に、単なる習慣や流行と思いがちな服飾文化(特に衣服と生地)のもつ多層的な側面に注目して、日本列島の歴史を振り返る。
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