シラバスのカバー外テーマ
シラバスで予告したテーマのうち、講義で取り上げきれなかったものを以下で簡単にまとめておきました。今後、関心があるテーマがあれば、以下の要約を足がかりに調べてみてはどうでしょうか。
①20世紀前半における化合繊の普及と在華紡の展開
- 化合繊(ナイロン、アクリルなど)が普及、ミシンの針はステンレスへ。
- 在華紡は、20世紀初頭に、中国へ工場を置いた日系紡績会社。三井物産、内外綿などが活躍。 (日中戦争期上海での日本人居住地における日々の生活→林京子『上海・ミッシェルの口紅―林京子中国小説集』講談社文芸文庫、2001年)。
②20世紀中葉における制服産業の海外膨張─戦争に絡めて(2)
- 岡山県の学生服の輸出化計画→旧満州に移住した日本人労働者の子息向け(20万人程度)。
③19・20世紀における、産業革命の影響とフェティシズム(≒フェチ)の成立
- 産業革命は、従来の工程(紡績→織物→衣服)が家庭・村レベルで行なわれていた状況を、各工程別工場へ分断(紡績工場、織物工場、裁縫工場など)。経済学では社会的分業という。この経済システムが人間の発想にも影響を与え、19世紀以後「断片」、「部分」への崇拝が始まった。逆の例は「廻し屋」(問屋に似ているが、移動性が異なる)。
- たとえば、脚フェチ、乳フェチ、髪フェチ、革フェチ、ブーツ・フェチ、など。声フェチ(と匂いフェチ)は例外(山田登世子『声の銀河系―メディア・女・エロティシズム』河出書房新社、1993年を参照せよ)。
- 先進国では地域関係、人間関係、恋愛関係が希薄化(自治会・子供会の減少、セックス・レス、少子化等々)。
- 個人部位・単なる物への愛は個人総体への愛の放棄というデメリット。他方、個人総体への愛は、日本の場合、この150年間ほど男性本位であり女性は犠牲の下に成立していたことを踏まえると(近代家父長制と国民国家~授業でいえば、裁縫と柔道)、一旦崩壊することは大切(その意味でメリットもある)。特に戦前は酷かった。いずれにせよ、21世紀前半には片が付く。
- 語感のうち愛(触覚+粘膜+縫合)に近いものは聴覚(→山田)、以下、嗅覚、視覚の順。
- 経済的側面では、部分どうしの結合が変化したといえる事態もある→中小企業の国際連携。
④ジーンズの成立と、20世紀後半の日本への爆発的普及
- ジーンズの成立は1870年代頃の北米合衆国。日本へは1960年代以後普及。元は作業着(効率よい)。
⑤20世紀日本におけるブランド需要─シャネル、ヴィトン、エルメスを比較して
- シャネルは単体企業として努力、ただし、創業者(ガブリエル)の意図とは異なっている。
- エルメスもシャネルに似て、単体で努力。(婦人公論編集部『カレ物語』中央公論新社(中公文庫)、2002年を参照せよ)。
- ヴィトンは、LVMHとしてブランド企業の買収によって巨大化。21世紀に通用するか?
⑥20世紀後半における東西融合のあり方─コムデギャルソンとヴィヴィアン・タム
- コムデギャルソン(川久保玲、日本)70年前後、フランス進出、フランス化がテーマ。 →モードの世紀「コムデギャルソン」http://www.mode21.com/brand/002831.html
- ヴィヴィアン・タム(谭玉燕/Vivienne Tam、中国)93年ニューヨーク進出、東西融合がテーマ。 →モードの世紀「ヴィヴィアン・タム」http://www.mode21.com/brand/002927.html
- ただし、所詮デザイナーだという発想も大切。デザインも大切だがそれを製品化する段階も大切。
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