講義計画
講義内容
どのファッション雑誌を見ても、特集ページには、ちょっと手を伸ばせば届く値段の商品が掲載されている。しかし、広告ページとなると、既製品ですら決して手が届かないようなトップ・ブランドが、日本国内の本店・旗艦店の所在地・連絡先を記載するだけで、暖簾を出していることが多い。ファッション雑誌は、その意味で、「手に入れることの商品」と「いつかは手に入れたい商品」との格差を縫い込んでいる。
そもそも、ファッションは、衣服や装飾品、それらの流行現象、時代の価値観など、幅広い意味をもっている。
漢字に注目してみよう。「服飾」の「飾」は、自分らしさや煌びやかさをイメージさせるが、「服」の方になると、違うイメージも出てくる。婦人服、紳士服、子供服、洋服、和服、制服など、「服」の付く言葉を上げると切りがないが、「服」には、征服、屈服、服従といった、闘争的な意味や権威的なニュアンスも含まれる。
本講義では、近代を中心に、単なる習慣や流行と思いがちな服飾文化(特に衣服と生地)のもつ多層的な側面に注目して、日本列島の歴史を振り返る。
講義方法
プリント・資料を配布し、それに基づいて授業を行なう。随時、写真史料も紹介する。学習上の注意点
お互い、発想を柔軟にしましょう。評価方法
学期末試験を重視するが、随時レポートを課し、平常点も評価に入れる。テキスト
指定しない。参考文献
たくさんの参考文献を授業で紹介する。一冊でも多く読むこと。学生への要望
衣服に関するあなたの「こだわり」が、どのような歴史的影響を受けてきたかを見つめ直してほしい。また、過去を旅する本講義から、同時代の旅を楽しむきっかけを掴んでほしい。年間(学期)計画
以下のようなトピックを中心に取り上げる。・古代~中世における献上品としての絹と交易向けの苧麻
・古代末期~中世の綿輸入とその国産化
・近世における呉服の位置と、綿の大流行
・近代の洋服の普及と、和服概念の創出=作られた伝統
・近代の産地化と取扱製品の傾向
・近代服飾品産業の零細問題と海外移植化の試み
・20世紀後半における洋服の一般化とブランド志向
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