ニットの種類やアイテム

ニットは衣料品の中で位置づけの難しい物・言葉です。ここでは、ややこしい ニットの種類 やアイテムを丁寧に説明しています。ニットの語源、特性、原理などは「ニット : knit」のページをご参照ください。

編みベルトは主に北部イングランドとスコットランドに属していたようです。 The knitting belt seems to have belonged mostly to northern England and Scotland. – See more at: https://hands-across-the-sea-samplers.com/tag/knitting-stick/#sthash.QmopYVdv.dpuf

ニットの種類

ニットの種類 は多岐にわたります。スーツ、ブレザー、スラックス、スカートなどの外衣類から、下着類、手袋、帽子、水着などの類に至るまで幅広く用いられます。なお、jersey foundation(ジャージー・ファンデーション)は材料区分による用語です。19世紀までファンデーションの主材料はほとんど織物でしたが、20世紀には、織物より伸縮性において格段に優れた編物(ニット)で作られることが増えました。アパレル研究で著名な中込省三氏は20世紀の衣服史の一つとしてニット化を挙げているように、従来は織物生地を用いて作っていた衣服をニット生地で作ることが増えています。

そもそも、編物には、製品の形に編んでいく成形編と、生地として編んでいく生地編があります。生地編(ニット生地)から裁断と縫製を経て制作された衣服を「カットソー : cut & sewn」と呼びます。織物生地の場合は全て裁断と縫製を経て衣料品になるので、わざわざカットソーとは呼びません。また、ニット衣料品を制作する方法には、もう一つ、生地編と成形編の中間形態もあります。これは下記のページをご参照ください。編地出し、柄組み、編み、リンキング、糸始末、洗い、縫製、検品、仕上げの各段階について、写真入りで丁寧に説明されています。「1枚のニットができるまで|ニットの生産工程を紹介します |」(ニットラボブログ)。この形態は、袖、身頃などの各パーツを編んだ後、それらパーツを繋げるために手縫またはミシン縫の縫製段階が導入されています。これは、どちらかといえば生地編に近いものです。

次の写真は、ニット製のクラッチ・バッグです。なお、ニットがカバーする衣料品はますます拡大して、最近ではニット製の靴(ニット・シューズ)もかなり普及しています。

ニットのアイテム

ニット製品では、靴下、ストッキング、タイツ、セーター、帽子などが有名ですが、細かく分けると以下のようになります。

  • ニット・ブラウスは、ニットで作ったブラウスの総称。伸縮性があり、着心地がよく、夏向きには、通気性があって軽快な合繊糸のブラウスが多い。冬用には、ウールなど保温性の高いものが使われます。
  • ニット・アンダーウェアは、伸縮性が高く着心地よく動作しやすいため、下着類に最適な素材として、従来から利用されてきました。綿、レーヨンなどの夏向きの下着は吸湿性が優れており、羊毛、合繊製の冬用は、保温目的で利用されることが多い。下着の種類によって、緯編地、経編地、太糸編地、細いと編地など、種々の素材が作られています。
  • ニット・ベストは、ニット地のベスト。手編み、機械編み、メリヤス生地でつくったものなどがあります。主に防寒用に用いられます。
  • ニット・ジャケットは、ニットで作られた上着の総称。広義では、カットソーを含めます。丈長のコート・セーター、カーディガン、ブレザー型のセーター・ジャケット、ニット・ブルゾンなどが代表的。
  • ニット・ブルゾンは、セーター・ブルゾンともいわれ、編んで作られたブルゾンの意。布地として裁断して使うニット(カットソー)の方ではなく、ブルゾンの形に編上げていったニットを指します。ソフトで暖かみがあります。
  • ニット・コートは、編地のコートのこと。伸縮性があって着やすいため、1970年代頃から、ウール、合繊などの編地を外衣として用いることが流行。以降、一般的に外衣として定着しました。経(たて)ニット地が多く使われますが、緯(よこ)ニット地が用いられる場合もあります。ドレーピング(垂れ下がり)のしなやかさの点でやや欠点がありますが、軽快で保温性に優れています。
  • ニット・ドレスは、ニットで作られたドレスの総称。手編みや機械編みによるドレスだけでなく、編地使いのカット・アンド・ソーンのドレスも含みます。
  • ニット・スーツは、織物を用いず、全て編物で作られたスーツ。ジャケットは、シャツ風かカーディガン風のものが多く、スカートはシンプルでストレートが多い。ニット・コートなどと同じく、1970年代頃から用いられるようになりました。
  • ニット・カフスは、編んで作ったカフスの総称。あるいは、ゴム編みなどで手首に合わせてバンドを作り、ワニしてドレスやジャンパーなどの袖口に綴じ付けたもの。
  • ニット・スカーフは、編地のスカーフの意。特に、ネクタイ状に結んで垂らすものを指します。
  • ニット・レースは、綿、ウール、絹糸などを棒針で編んだレース。ドイツ語で「クンスト・ストリッケン」あるいは「アルトストリッケン」といい、「棒針の芸術」の意味。実用性と作りやすさゆえにヨーロッパ各地の家庭の手芸として、長い間親しまれてきました。
  • ニット・ベロアは、緯編(よこあみ)のプラッシュ編のパイルをカットして毛羽を立たせ、輪奈を切り開いた毛羽で、編地の前面を覆ったもの。織物のベロアに似ているため、このように呼ばれます。毛羽は柔らかく密で、ビロードのように見えます。白か無地染めか捺染をして、カジュアル・ウェア、ガウン、シャツ地などに使う。なお、毛羽のかなり長いものはボアと呼ばれます。
  • ニット・パイルは、テリーともいい、緯編のプラッシュ編に編み、輪奈を切り開かずそのままにした編地。白か無地染めか捺染をして、カジュアルなセーター、ブラウス、ビーチ・ウェアなどに使われます。
  • ニット・アストラカンは、メリヤス・アストラカンともよばれ、パイル編地で、アストラカン(巻き毛の子羊の毛皮)に似た外観をパイルでつくった物です。
  • ニット・コンポは、ニットウェアによるコンポーネント・セットの略語。同型のセーター、カーディガン、スカートなどのニット単品をカラー・バリエーションで揃え、自由に組み合わせる着方、あるいは売り方のシステムを指します。

(この記事は2004年頃に書いた記事を再構成したものです)


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[投稿日]2017/03/29
[更新日]2017/05/29