コルセットの歴史 - パニエやクリノリンとともに

コルセットの発祥は明らかではないが、胴を締めたベルトのようなものがクレタ文化の絵にみられる。原型とみられるものは、12~13世紀頃のステーズ(胴衣)。以後、16世紀にバスキーヌ、コル・ピケ、コル・バレネと名前を変えながら改良が加えられた。
中世には男女ともに着用されており、18世紀に軍隊の将校たちが健康上の理由と装飾の目的でコルセットを利用していたようである。当時、サロンでは、男女ともに、シルエットづくりの必需品となり、着用されるようになった。レースで飾った男性用のコルセットが流行し、あまりにきつく用いるために卒倒する者が多かったが、当時は弱々しい男性が女性の間では人気が高かったため、細いウェストを過剰に望まれたのである。
一般に男性は表着的に、女性は下着的に身体の型を整える衣装として用いられたが、女性のコルセットは今日のガードルに変化し、表着的に用いられた者は、編み上げ式の構造をもった衣服にみられる。女性の場合は、18世紀をつうじてコルセットはパニエとともに用いられ、腰部を肥大化させる表現がみられた。
コルセットの名で利用された19世紀には、ドレスの流行が、各種のシルエットによって表わされるようになり、それを整えるためにコルセットが使われた。当時の者は鯨の骨や鋼などで形作られていた。パニエに似たスカートの裾を広げるクリノリンが利用され、たいそうなクリノリン・スタイルが流行ったのも19世紀である。

ルイ・フィリップ(在位1830~48年)の時代には、砂時計型シルエットといわれる流行が起こり、極端にウェストを締めるコルセットが登場。特に有名になったのは、1890年頃、コルセットを着けることで可能になるS字型シルエット(ギブソンガール・スタイル)が女性に流行したことによる。

20世紀になると、衣服は自然なシルエットをもつようになり、それにともなって材料や構造も変化した。レーシング(組紐)で締める方法が廃れ、20世紀になると、着用部位も加工され、ウェストからヒップを覆う形となる。伸縮性のある素材が用いられるようにもなり、ステップ・イン方式となった。現在は、ガードル、ウェスト・ニッパーなどが代替するものとして利用されている。脇、前、後を紐で締め上げるものと、ホック留めになったもの、ファスナーで留めるものがある。ガードルの場合、骨が入っていないのが特徴で、その役割も体型を矯正することにはなく、きっちりと保つためのものである点に、コルセットとの大きな違いがある。
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