18世紀までの香水の略史
今日のようなアルコール性の香水が登場したのは、15世紀末~16世紀。以後、天然香料や合成香料を巧みに調合し、無数の液体の宝石を作りだしてきた。
中世から18世紀後半までは、香料は、官能の刺激としてだけでなく、伝染病の予防薬とみなされていた。下着や手袋にも付けることが習慣となっており、衛生よりも香料が重視され、当時のヨーロッパの不潔さの度合いが大きかったことは、19世紀まで入浴の習慣がなかったことと同様、よく知られる事実である。
アルコール性の香水の発端は不詳であるが、15世紀末のイタリアで広く利用されていたことは知られている。もっとも、日本のように、仏像に供える香り付きの水のように、香りと水をセットにした慣習は以前からも存在したが、香料としての水(つまり香水)の登場は、16世紀を待たねばならなかった。
18世紀初頭には、オー・デ・コロンが登場。ジャン・マリー・ファリナがオー・デ・コロンの専門店の元祖。高級香水店としては、1775年、ジャン・フランソワ・ウビガンが、パリのサントノレ通りに、「花々の籠」というロマンチックな看板を掲げてオープンしたウビガン社であろう。マリー・アントワネット、レカミエ夫人、ポンパドゥール夫人などが主な顧客で、「パルファム・レカミエ」は熱狂的なブームを呼んだ。以後、ベルサイユ宮殿と香水との関係は密接になり、19世紀初頭にポール・ポワレが、クチュリエとして最初の香水を販売するまで、貴族的な商品として重宝された。
