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(3)コルセットからの解放:デザイナーと女性

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コルセットから女性を解放した人物は2人いる。一人は、モード史の常識となっているポール・ポワレ。彼は、ナポレオン1世期のエンパイア・スタイル以来、はじめてコルセットを追放し、20世紀モードの基調をつくったといわれている。

そもそも、19世紀末から20世紀初頭にかけてのヨーロッパでは、異国趣味(オリエンタリズムやエキゾティズム)が流行していた。ポワレがその点を敏感に関知し、着物風のローヴやホッブル・スカートなどを考案したことは想像に難くない。シルエットやフォルムからみれば、確かにコルセットはポワレをもって追放された。

しかし、市場の狭い有閑階級のなかでのコルセットの解放は、同時に、その階級のなかで再びコルセットが再評価される時代がすぐに来ることを意味している。流行はつねに戻ってくるものだからであり、また、有閑階級に帰属していること自体に喜びを感じることこそ、精神的な締め付け(コルセット)に他ならないのだから。

では、有閑階級のサロンにとどまらないような、身体へのコルセットだけでなく、精神的なコルセット(締め付け)からも女性を解放したデザイナーは誰か?

それは、ガブリエル・ボヌール・シャネル(通称ココ・シャネル)である。いうまでもなく、現在でも売上高の上位にランクする会社のなかでは最古のブランドの創始者だ。

ご存じのとおり、彼女は、当時イギリスの新興ブルジョワジーだったボーイ・カペルをパトロンにつけて、帽子店からスタートした。シャネルの活躍は1920年代に大きく展開するが、シュミーズ・ドレス、カーディガンのツインセット、ジャージー素材の服など、シャネルの人気の発端となる作品たちは、既に10年代から制作されている。彼女は20年代の先鋭的な女性たちギャルソンヌを魅了し、女性の女性による女性のためのデザインを数多く生みだしたのである。また、ブランド・ビジネスからみれば、デザイン・アイコン(イコン)をたくさん作った点がシャネルの功績である。その数は、グッチやクリスチャン・ディオールのアイコンの数と比べても比較にならない。

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