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(2)ブランド・ビジネスの成立:デザイナーと商標

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ウォルトの時代では、特別注文の形態、あるいはレディ・メイドの形態、いずれが採用されたとしても、商品の販売範囲はとても小さいものであった。ウォルトの次に登場するキー・パーソンは、ポール・ポワレ。ハイ・ファッションをビジネスに転換した最初の人物である。今やファッション界では当たり前になっている、固有名詞の商標化(フル・ネームが常態であるが、これはファッション界のみにみられる特徴である)という発想は、ポワレに由来する。

デザイナー&実業家であった彼は、自分の娘の名前(ロジーヌ)を香水につけて販売したように、自分の作品がもつブランド・ロイヤルティを上手く組み込もうとしたのである。ポワレ自身のサロンに出入りしている顧客はその香水を購入し、彼の作品を注文できない顧客層には、廉価な香水のみを買うこともできた。

このように、ブランド名がデザイナーから商品、さらには同じブランド名が付けられた関連商品にまで横滑りする事態が生じたのである。その後、とくに20世紀の後半には、ライセンス・ビジネスやディフュージョン・ライン(高級ブランドの廉価普及版のライン)といったポワレの企画の応用編がいくつか編み出されていった。

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