ヘから始まるファッション用語

ベーシック…英語で「基礎の、根本的な」の意。ファッションでは常に手持ちの衣裳の基本となるような服のこと。伝統的で飽きのこないカシミアセーター、ポロシャツ、ブレザー、ローファーなど。

別珍…ベルベティーンや綿ビロードともいい、柔らかい厚手の添毛織物。ベルベットのような毛羽が表面を覆った綿の緯パイル織物。地組織により、平別珍と綾別珍となり、保温性に富み、カジュアルなジャケット、室内着のロング・スカート、子供服地の他、ベッドスプレッド、椅子張り地などにも用いられる。地組織は、平織か斜文織で、緯糸の密度は経糸の密度より大きく、毛緯糸は、浮きを長く織り込み、浮きの中央をナイフで切断する。その表面を毛焼きして、さらに精練、漂白、染色をして仕上げる。

ベビードール・ルック…ベビーは赤ちゃん、ドールは人形。ベビードール・ルックは赤ちゃん人形風なルックのこと。総じて、子供っぽくあどけない雰囲気のファッション。リトル・ガール・ルックの一つで、ルーズ・ウェストでフレアの入ったゆったりとしたワンピースに、フリルやレースの飾りなどを付けたものが典型。また、類似の意味で、ナイトガウンの一種であるベビードールを基調にしたファッションをいう場合もある。これは、シュミーズを短くしたようなドレスのことで、あどけない小悪魔的なイメージをもつ女性をも意味する。また、そのようなニュアンスの様々なスタイルも指す。基本はオフ・ボディのルーズなシルエットで、丈は比較的短く、裾や胸元にフリルやスモッキングをあしらったものなど、デザインのバリエーションが豊富。なお、現代のベビードールの基本型となったのは、クリストバール・バレンシアガ。また、1958年春夏コレクションで、マギー・ルフが発表したサック・ドレスは、胸高の切替え線とロング・トルソー(胴長)の切替えにスモッキングがあしらわれていた。ブランドではこれが典型例とされている。以後、1986年春夏コレクションでは、ジャンポール・ゴルチエヴィヴィアン・ウェストウッド山本耀司らが、ロリータ、ベビードール旋風を引き起こした。

ヘリンボーン…ニシンの骨の意で織り目がニシンの骨に似ていることに由来する。日本名「杉綾」。

ベル・エポック…フランスで19世紀末から第1次世界大戦勃発(1914年)までの時代を指す語。郷愁を込めて「良き時代」と呼ばれ、世紀末の退廃的な暗さから抜け出し、新しい時代の幕開けだつた。服飾ではアールヌーボーの影響を受けたS字形シルエットから、コルセットを追放した直線的な現代衣服へ変遷した。簡素なテーラード・スーツや活動的なスポーツ服など、現代的な服も登場した。英語ではエドワーディアンにあたる。

ベルクロ…オランダのベルクロ社の登録商標。面ファスナーの一種。2枚一組の布の着脱や取り付けが簡単で、サイズ調節もできる。ベルクロ社には、数百のファスナーの特許がある。1990年代後半の機能的なファッションの流行で、最近ではスニーカー、時計、服などに多用されている。ただし、日本では「マジックテープ」とよばれているが、「マジックテープ」はクラレ社の商標登録。逆に、欧米ではベルクロ社の商標「ベルクロ」の方が一般的な呼び名となっている。日本でベルクロが有名になった理由は、スニーカーの流行が大きく、それとともに、ベルクロの名前も広く知られるようになってきた。商標としてのベルクロの発明の発端は、スイス人の発明者(George de Mestral)が、1940年代前半に、別荘で飼い犬と散歩していたとき。彼は、自分のコートや犬が「cockleburrs」(山に行くとよくくっついてくる皺のあるいがいがの実)で覆われていたのに気付いた。8年の研究の後、二面ファスナーの基礎ができあがった。二面ファスナーは、ズボンの生地の柔らかい「輪」がある面と、固い「フック」がある面から成り立っていた。その結果、ベルクロ・ブランドであるフックと輪のファスナーが製造されるようになった。「ベルクロ」の名前は、フランス語の「ベロア」と「クロシェ」(鉤針編/かぎばりあみ)の結合語。

ベルニ…エナメル、またはエナメル仕上げのこと。バッグの老舗ブランド、ルイ・ヴィトンのシリーズで使われ、急激にこの言葉が広まった。

ベルボトム…裾が吊り鐘(ベル)形に広がったパンツ。ラッパズボン、フレア・パンツともいう。1970年代に流行し、日本では、仏語でパンツを意味するパンタロンという語が使われた。

ベロア…起毛を特徴にした生地の一つだが、大きく3つの意味がある。織物としては、製織前にパイルカットした場合(1)と、製織後に縮絨仕上げをした場合(2)の2つがあり、その他、ベロア調の編物もベロアとよばれる。いずれも、梳毛糸か紡毛糸を使うが、綿糸やレーヨン、アセテートなども使われてきた。(1)プラッシュと同義で、パイルカットして長い毛羽を表面に出した織物。ベルベットよりも毛羽が長く、厚みがある。経毛、添毛織の二重ビロード織りで織る。毛羽を不規則な形に毛状したものをクラッシュド・ベロアとよぶ。ドレス、コート、婦人帽、パフなどに使われる。(2)繻子織や綾織で製織した後、ベロア仕上げにした紡毛織物。柔らかくふっくらした手触りで、ドレスやコート地に使われる。ベロア仕上げとは、紡毛織物の仕上げ方法の一種。縮絨(しゅくじゅう)と起毛を表裏両面に施し、立てた毛羽を刈り揃えてビロードに似たソフトでしなやかな風合いに仕上げる。ベルベット仕上げともよばれ、コート地や帽子などに用いられる。(3)プラッシュ編のパイルカットを施し、短いビロードのような毛羽を立たせた編物で、ニット・ベロアとよばれることもある。特に、(2)で触れたベロア仕上げをさらに詳しくみると、毛羽が密に表面を覆い、織目が全くみえないという特徴をもっている。別名ソフト仕上げともいわれ、毛羽自体は柔らかく、直立していて方向性がない。毛足は短めで、生地風合いがしなやかでソフト。縮絨は、25~30%程度で、ビーバー仕上げよりも少ない。縮絨後は、起毛・剪毛・刷毛掛けして仕上げる。ベロアの他、数多くの紡毛婦人服地に活用される仕上げ法である。毛羽を特に直立させる仕上げは、モス仕上げとよばれる。また、毛布やフランネルのベロア仕上げは、ブランケット仕上げや毛布仕上げ等ともよばれる。なお、皮革製品でいうベロアとは、ブルやカウなど、肉の厚い牛革の裏面を起毛したもの。毛足が長く、スポーティな感覚の靴、ベルト、鞄などに使われる。「子羊の柔らかい鞣革」の商標名には大文字で始まる「Velours」が使われ、フランス語でベルールといい、意味はビロードである。また、ベロア・カーペットは、地が密で、表面が平らなカット・パイルのカーペットのこと。ベロアの風合いをもっているので、このようによばれる。


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[投稿日]2017/02/18
[更新日]2017/05/29