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ハリス・ツイード:harris tweed

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イギリス、スコットランド北西部のアウター・ヘブリディーズ諸島で手織りされるツイードのこと。諸島には、ハリス島、ルイス島、ユイスト島、バラ島などが並ぶ。ツイードの最高級品。現在でも、島民によって製造されている。

用途は、スーツ、オーバーコート、スポーツウェア、アンサンブルなど。

ヘブリディアン・ブラック・フェース種の羊毛の新毛で紡いだ(手紡ぎ、機械紡ぎ)紡毛糸を用い、手織機で綾織や杉綾織に織ったもの。白い毛が混じるのが特徴。織糸の大部分は、機械紡績で紡いだものが使用される。

ハリス・ツイードという名は、ロンドンのハリス・ツイード協会の商標でもあり、島の小農場で時間をかけて作る希少な手紡糸で織ったハリス・ツイードには、球形の上に十字が付いた「ハリス・ツイード」の商標マークが付されている。純粋なものには、一種の香気が漂うが、これは特殊な染料によるもの。

標準品は、仕上げ幅28~29インチ(約71~74cm)、1インチ間密度18×18本、ヤード(約91.4cm)当り10~11オンス(約284~312g)である。

初期の南極の探検家やアルプス、ヒマラヤの登山家たちにも愛用されたという、ハリス・ツイードの歴史をみよう。

もともと、ハリス・ツイードは、島で調達できる資源のみで製造されていた。合成染料が一般的に利用される前に、ツイード地は、さまざまな植物を顔料として染められていた。特に、(ゲール語の Crotal で知られる)石に付着した灰色の苔などの地衣類からは、赤褐色の色が出された。島内の石から、苦心して苔をこすり落とされなければならず、伝統的な手作業が必要とされる。

ところが、逆説的にも、染料が織物から洗い落ちるのを防ぐ必要もある。媒染剤が広く利用される前は、尿が使われていた。島民の家族全員の尿を集めて容器に入れ、小屋で保存したそうだ。とはいえ、現代では媒染剤が使用されているので、心配する必要はない。

ハリスツィードの現状は、ダンモア伯爵未亡人に由来する。ダンモア婦人は、1846年に、マレー・タータン柄をハリス島の織り手にツイードで模造させた。婦人は、とても感動し、時間と労力を費やして製造過程の改良に着手した。

ハリス・ツイードの反物に記されている証明のマークは、1909年に考案され、翌年に登録された。スタンプの慣習が始まったのは、さらに翌年から。

この頃から、ハリス・ツイードの需要が供給に近づきだし、やがて追い抜いた。アウター・ヘブリディーズ諸島の羊毛など、諸島独自の原材料だけでは賄いきれず、1934年の6月、ハリス・ツイード協会の規則が、次のように修正された。「ハリス・ツィードは、スコットランドのアウター・ヘブリディーズ諸島で、島民たちによって、純粋な羊毛の段階から紡績・染色を経て、完成されたものを指す。」

その後、伝統的な織物の衰退が目立ったが、その打開策として、1993年、ハリス・ツィード条例がイギリスの議会を通過した。これは、ハリス・ツイードの技術や製品を国際的な保護の下に置こうというもの。そして、現在でも、現代的な方法と伝統的な手法が合わさった製造過程にのっとって、ハリス・ツイードは作られている。

また、厳しい評価基準を通過した完成品のツイードは、独立的な立場にあるハリス・ツイード試験所に提出される。そして、試験官たちによって、その完成品が法的な根拠にもとづいている場合、認可される。試験が無事に済めば、ハリス・ツィード協会のマーク「球と十字架」(Orb and Cross)がスタンプされ、唯一無二の「ORB」ラベルが発行される仕組みになっている。

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