カシミア:cashmere
もともとは、インドのカシミール地方の山羊の毛で作られた毛織物。毛質は細く、柔軟で独特のぬめりがある。保温性・保温性に優れ、生産量が少ないため、高級素材の代表とされる。メリノ種羊毛と混紡したものも多い。
カシミア山羊は、アンゴラ山羊よりも小さく、秋に粗毛の下に白色か灰色の防寒用の柔毛を密生させる。この毛を春に櫛で梳くと長さ3~7センチの柔らかいわた毛が得られる。このわた毛を手で紡いだカシミア糸を、経は双糸、緯は単糸づかいとして2/2の右綾か経二重に手織り機で織る。
織物、ニットともに最高級品として扱われ、主産地は、中国、中央アジア、中近東など。セーター、コート、ショール、下着などに使われ、昨今の上質なベーシック・ファッションの流行により注目が高まっている。
語源は、インドのカシミール(Kashmir)地方。カシミア山羊の産地は、カシミアの産地に重なり、インド北部、チベット、イラン、イラク、モンゴルなど。
カシミアが珍重されるのは、原料のわた毛が1頭の山羊から平均150~250グラムしか採れず、1.5ヤール平方(約1.9平方メートル)のショールを作るのに、10頭の山羊が必要とされるから。
とくに、カシミア・ショールは、カシミア糸のなかでも最高のものを使う。両面に刺繍をして柄を出すが、非常に効果だったため、イギリスのペーズリーやフランスのリヨンで、17・18世紀に、ジャカード機による模造品が大量に作られた。
カシドスとは、カシミア・ドスキンの略称で、ドスキン仕上げをしたカシミアの意味。本来は、高級は経梳毛、緯紡毛の高級な毛織物であったが、現在は、合繊混紡の、工程を簡略化した梳毛タイプが多い。背広、スーツ、スカートなどに使う。
また、カシミア・オーバーコーティングとは、カシミール山羊の柔毛を用い、多くは綾織にした紡毛織物。仕上げで逆毛を表わしたものや、メルトン仕上げをしたものなどいろいろあるが、いずれも、毛触りは柔らかく、光沢に富み、効果。色合いは、黒・紺・茶・ねずみ・霜降など。薄地のものは、コート地、ドレス地、モーニング地に利用。
なお、経に梳毛糸、緯に紡毛糸を使って、2/2の正則斜文に織った毛織物もカシミアという(カシミヤと呼ばれ、英語ではcassimere)。かなり縮絨し、短く剪毛して仕上げる。厚さは中肉で地合いは緻密。2/1の綾や、3/2の綾、杉綾などもある。
着ているうちに、悪光りが出てくる傾向があり、折り目は消えにくい。綿やレーヨン、ポリエステルと毛混紡のものもあり、背広、コート、ズボン、スカートなどに使われる。
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