2014年上半期アンケート(週刊読書人)

このページは「週刊読書人」に掲載された記事です。同社許可のもとに転載しています。

武田佐知子『古代日本の衣服と交通―装う王権 つなぐ道』(思文閣出版)は、単なる衣服紹介に終わらない、交通というキーワードから捉え直した古代衣服史。衣服とそれを生成する場に注目し、民族論や王権論、さらには中国の服制からの影響にも言及した広い視野を有す。

長田華子『バクグラデシュの工業化とジェンダー―日系縫製企業の国際移転』(御茶の水書房)は中国から当地への資本移動に着目し、工業化をジェンダーとの関係から論じた調査研究。経営、技術移転、雇用・労働状況の基本分析に加え、衣服産業に従事する女性の家庭調査にも踏み込む。

中川スミ『資本主義と女性労働』(桜井書店)は生前の既発表論文を編者が一著にしたもの。家事労働の意味づけから論を興し、竹中恵美子、上野千鶴子、大沢真理らの議論を振り返りつつ、家族賃金思想をはじめ、ジェンダー論やマルクス賃金論などの大きな理論的枠組みまでを捉え直した大作。

(初出) 「週刊読書人」 2014年7月25日号、6面(バックナンバーを購入


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[投稿日]2017/01/15
[更新日]2017/04/29