2013年上半期アンケート(週刊読書人)

このページは「週刊読書人」に掲載された記事です。同社許可のもとに転載しています。

竹田泉『麻と綿が紡ぐイギリス産業革命―アイルランド・リネン業と大西洋市場―』(ミネルヴァ書房)。ランカシャーとアイルランドのリネン織物業を対峙することによってイギリス産業革命史を捉え直した。キャラコに代替的であったリネン(純麻・麻綿混織)に焦点を当て、染色性や肌触り等の消費観点に言及した点も魅力的。

山崎広明・阿部武司『織物からアパレルへ―備後織物業と佐々木商店―』(大阪大学出版会)。近世以来の備後織物業の全体動向と佐々木商店の経営展開を実証的に考察。特に戦時経済下の同商店が織物業から隣接のアパレル産業へ進出した点は、乏しい研究状況をふまえ強調したい。

刑部芳則『明治国家の服制と華族』(吉川弘文館)。新政府が繰り返し議論されてきた服制を階級秩序との関わりから論じた研究。和装の否定と洋装の採用を軸とした諸議論に詳しい。国民国家のもとで洋装を導入するジレンマに注目すれば、諸議論の展開に興味が尽きない。

(初出) 「週刊読書人」2013年7月26日号、6面 (バックナンバーを購入


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[投稿日]2017/01/15
[更新日]2017/04/29