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服飾史の問題関心-作業着・野良着

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関連著書を執筆された福井貞子さんの著書にからめて、服飾史に取りかかるうえでの問題関心を書いています。

私自身の作業着関連の研究を進めるために、関連著書を執筆された福井貞子さんの著書などをまとめています。2002年3月27日にゼミ旅行の研修として、福井さんに講演をしていただくことになり、その事前準備として研究会が催され、その際にご紹介させていただいたレジメです。

(1)経歴等

福井貞子(ふくい・さだこ)
1932年鳥取県に生まれる。日本女子大学(通信教育)家政学部卒業。大阪青山短期大学講師を経て、倉吉北高等学校教諭、同校倉吉絣研究室主事をつとめる。1988年同校を退職。日本工芸会正会員。
・倉吉絣との出会い以降の経緯  → http://www.nnn.co.jp/tokusyu/old/takumi/takumi.html
・「鳥取県郷土工芸品・鳥取県郷土民芸品の指定及び鳥取県伝統工芸士の認定状況」では、「鳥取県の伝統工芸士(鳥取県在住者)」として、「織物・染物の部:倉吉絣」「区分:鳥取県郷土工芸品」「製造元:倉吉絣保存会」に認定されている。 → http://www.hal.ne.jp/shokoren/shokou/rengoukai/002_3.html

(2)著書(今回中心となるもの)

福井貞子『ものと人間の文化史・93:木綿口伝』第二版、法政大学出版局、2000(1984)/福井貞子『ものと人間の文化史・95:野良着』法政大学出版局、2000

いずれも、織物の製造・織物の服地・織物製造の従事者に対し、満遍なく目を配った著書であり、絣織などの生地の醍醐味は前者、野良着・作業着の多様な機能の紹介などは後者、といった位置づけができる。後者では、手甲なども含め各衣料について詳しく述べられており、野良着・作業着の機能という側面からも、かなり参考になる。

(3)私の関心

もともと衣服史に関心があり、研究テーマも、兵庫県姫路市で活動していた仕立店(綿布加工業)の経営動向・販売動向を中心に調べている。私が福井貞子さんのお名前を知ったのは、昨年の2月10日前後、第二版の『木綿口伝』を読んだときである。

本書は鳥取県を中心にした紡糸から織物までの工程別の労働史・文化史という特徴を備えており、製造工程に即して製造部門の研究が分断されているという日本経済史の現状を鑑みれば、可能なかぎり衣服史を有機的な繋がりの中におきかえてみたいという欲望に駆られる。その意味で、新鮮な気持ちをもって読むことができた。衣服、あるいは労働といった面に注目して、有機的な繋がりをみせるようなものを、私自身もいつかはまとまった形にしたいと強く思った。

その後、昨年の秋口に、『野良着』という同シリーズの著書を読み、普段、服地の分類などで頭を悩ましていた時期だったこともあり、目から鱗が落ちる思いで本文はもちろんのこと、図版も一つ一つ釘付けになって見た記憶がある。『木綿口伝』と同じく、本書は農作業や裁縫(などの労働)に関する話から、生地や機能などの衣服、あるいはそれに従事していた方たちの話まで、強く結びついている点に、改めて驚かされた。

私自身の不勉強もあるが、時代が下るにつれ、これまでの「技術」や「物」といったものに接する機会は徐々に減少している。私の世代では決して口にすることのない服地にしても、一世代、あるいは二世代前の方にとっては普段着として使われていることなどの落差をなんとか埋めれないものかという思いが、研究している最中、常に頭に浮かぶ。

この機会に、是非、福井さんご自身の経験も織り交ぜていただき、働くこと・作ること・飾ることといった面から、織物や織ることについて、お話しして頂きたいと考えている。

(4)野良着と作業着

野良着と作業着との接点について少し触れられている。『野良着』には、農民が農閑期に普段の野良着を羽織って職人として働くというような下りも書かれてあり、当時の労働事情などを窺い知ることができる。

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