ポール・ポワレ:Paul Poiret
20世紀初頭を飾った“ファッションの王様”。
1879年にパリに生まれ、一時傘屋につとめた後、ジャック・ドゥーセ(Jacques Doucet)とともに、ウォルトの店で修業した。
1903年、オペラ座近くに自分の店を持ち、ファッション界をゆさぷったドラマティックな活躍が始まる。1906年に、ハイ・ウェストのドレス「ローラ・モンテス」を発表し、女性のウェストを締めつけたコルセットを追放し、ファッション史上画期的な役割を果した。また、ランプシェード型のチュニック、ホップル・スカート、キモノ袖を創始するとともに、クチュールの店では初めての香水“ロジーヌ Rosine”を発表し、11年にはサンジカ(パリ高級衣裳店組合;Chambre Syndicale de la Couture Parisienne)を創始した。
デザインは東洋趣味の色濃いもので、飾り毛のついたターバン、回教寺院の尖塔をヒントにしたミナレット・スカート(minaretskirt)を始めとして、孔子の衣裳をもアイデア・ソースにしたといわれる。
当時の芸術家との親交が厚く、女優サラ・ベルナールの衣裳をデザインし、画家ラウル・デュフィは彼のために布地をデザインし、彼らをめぐる豪奢な生活は数々の伝説を残している。たとえは、彼の大邸宅で開かれた仮装舞踏会の絢爛豪華さは今でも語り草になっている。
その後、メゾンをフォーブール・サントノレ通りに移して組織の近代化を図る一方、工芸学校を創設し、マヌカンを伴なってベルリン、モスクワなどのヨーロッパ主要都市をまわってドレスの移動展示会を開き、モード使節としてアメリカへも行った。
第1次世界大戦後、シャネルらの進出とともに時代に乗りきれずに衰退をつづけ、20年代後半でデザイン活動は終った。晩年は妻子も彼のもとを離れ、貧困と病苦の中で、44年、パリで死んだ。
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