図説 着物の歴史
本書の概要・感想
橋本澄子編『図説 着物の歴史』河出書房新社(ふくろうの本)、2005年
カラー・白黒図版でたどる着物の歴史。様々な小袖の写真や絵画が豊富に附され、文章も読みやすい。髪飾りなどの装飾にもスペースが割かれており、着物の歴史の入門書として便利。
とくに、「装いの歴史」のコーナーは、古代から19世紀までを20ページで解説。これはコンパクト。本編の解説や写真資料と一緒に用いれば一層分かりやすい。
ただし、よく衣服史や衣服文化史で用いられるような発想にもとづいているのが難点。つまり、着物とよばれるものが小袖や振袖の呼称として使われているため、「着る物」としての歴史にはなっていない。小袖や振袖が着物という用語でいわれるようになったのは、早くても100年前、19世紀末から20世紀初頭にかけてのことである。
高田倭男の『服装の歴史』とセットで勉強したり調べたりするのがオススメ。
目次
小袖の広がり―桃山から江戸初期、友禅の華やぎ―江戸中期、地味・渋みの時代―幕末から明治へ、櫛と髪飾り(橋本澄子)、装いの歴史(橋本澄子)、色と文様(切畑健)、近世服飾品の素材と技法(小笠原小枝)、装飾の技法―刺繍と摺箔(橋本健一郎)
