発明品たちの女王─ミシンによって世界はどう変わったか
本書の概要・感想
英語圏の3~6年生向け絵本。アイザック・シンガー(シンガー社創業者)のミシン(縫製機)の記事を紹介しながら、19世紀中頃にライフ・スタイルに与えた影響を説明(著者ローリー・カールソン)。日本の高校生~大学生の英語学習に持ってこい。
ミシンは、それまで縫物をしている時間のかかる家事作業を軽減させ、衣類、靴、手袋、帽子、軍服をはじめ、熱気球にいたるまで、大量生産を促進した。それは「発明品の女王」と呼ばれた。セピア色のアクセントが施されたアーカイブのモノクロ写真によって、アメリカ人たちの生活の一断面を活き活きと描く。
手縫いの退屈さを打開させ、1840年代から開発が始まったフランスやアメリカのミシンのステッチの問題を解決したシンガーの1850年の発明過程が分かりやすく説明されている。ミシンの発明・開発が頻発した時期に、シンガーのマーケティング戦略が彼の製品の大きな需要を引き起こすのを助長したと強調している。ミシンを安い保証金で売り、月賦販売(ローン販売)によって成功を収めた点も活写。
あらゆるページの図面と写真が、19世紀のファッション、家庭の裁縫の場面と衣服工場などを示していて、視覚的にも理解しやすい。これらの絵に見出しがついていないのが残念で、読者(子供たち)は自分が何を見ているかについて理解しにくいかも知れない。それについては、参考文献のリストが付されているので、そちらを参照ということだろう。
本書のキーワード
ミシン,絵本,シンガー,発明

Laurie Carlson, “Queen of Inventions: How the Sewing Machine Changed the World”, The Millbrook Press, 2003.