小袖─日本伝統の装い、その華やかな歴史をたどる
本書の概要・感想
現在キモノとよばれるものの原形となる小袖は、安土桃山時代から江戸時代にかけて名称が定められた袖口の小さい衣服のこと。本書は、小袖の生地・模様・加飾技法の3点に焦点をあて、多数の写真資料とともに小袖の衣服を楽しめる。
遠く貫頭衣に機嫌をもつ小袖は、袖を持つようになった当初は筒袖だった。筒袖はやがて、小さな袂をもちはじめ、次第に袂が肥大化し、室町時代に形態が確定した。
小袖は平安時代から貴族の下着として使用され、名称も存在したが、庶民や武家にあっては、これを下着・表着兼用の衣服として着用した経緯も面白い。
邦題のサブ・タイトルは「日本伝統の装い、その華やかな歴史をたどる」だが、英語のタイトルは「Kosode - The Origin of Modern Kimono Design」(小袖 - 近現代の着物デザインの起源)となっており、イメージがやや異なる。
本書のキーワード
慶長小袖,染小袖,寛文小袖,友禅小袖,光琳模様小袖,裾模様・褄模様の小袖,富裕な町人女性の小袖,武家女性の小袖,御所解模様小袖,変遷年表,資料編,索引

長崎巌『小袖』ピエ・ブックス、2006年。