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生活文化論



本書の概要・感想

佐々井啓・飯田文子・篠原聡子編著『生活文化論』朝倉書店、2002年

20世紀末の種々の社会変化は、21世紀に暮らす私たちの生活を見直すきっかけになる。本書は、生活文化に焦点を当て、今日につながる生活様式や文化を家政学的な視点から明らかにする。

主な選択テーマは衣食住で、貴族の生活では日本の平安時代とヨーロッパ18世紀が取り上げられている。武士の生活では今日につながる伝統文化を考える手がかりを探る。市民の生活には、私たちの生活に直結すると考えられる江戸時代を軸に、19世紀のヨーロッパやアメリカを紹介し、新産業の関わりと大衆文化の展開が論じられている。

ご承知のとおり、明治以降の日本は、欧化政策によって新しい欧米のライフスタイルが漸次、導入されてきた。それは大正・昭和へと引き継がれ、日本の特徴的な生活文化を生み出し、今日に至っている。

一方、ヨーロッパの20世紀は、機能性をめざした新しい造形思想が誕生した。それらが生活において使われる様々な造形を中心として発生したことは、新しい方向性をもたらしたといえる。日本では、その影響が特に20世紀後半になって大きくなり、欧米のライフスタイルに近づく結果となった。

本書は、以上のような歴史の流れをふまえ、今後の生活のあり方を考えていく手がかりを示そうとしている。

サイトからの感想

衣食住のバランスが上手くトピックが選択されている。また、章別に参考文献が付されており、衣食住のいずれかの歴史を深く勉強する足がかりに適した教科書といえる。ただし、和洋の二項対立にもとづいた叙述が多いため、中国をはじめとする東アジア諸国など近隣諸国・諸地域との関連には関心があまり向けられておらず、日本が欧米文化を輸入するという鎖国的な発想パターンに縛られている点は歪めない。

著者略歴

佐々井啓
1946年東京都に生まれる。1969年お茶の水女子大学大学院修士課程修了。現在、日本女子大学家政学部教授。

篠原聡子
1958年千葉県に生まれる。1983年日本女子大学大学院修士課程修了。現在、日本女子大学家政学部助教授。

飯田文子
1958年神奈川県に生まれる。1983年日本女子大学大学院修士課程修了。現在、日本女子大学家政学部専任講師。


本書のキーワード

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