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ものと人間の文化史 - 古着



本書の概要・感想

古着朝岡康二『ものと人間の文化史 - 古着』法政大学出版局、2003年

リサイクル品として明治期以降も利用され続けてきた古着とその生活文化を丁寧に紹介している。白黒図版が多数あり、とても助かる。

近代の洋服受容によって、和洋折衷風の服装が広まったが、本書では和服と洋服の形状の違いに注目し、麻→綿→化合繊という繊維の推移にも触れながら、衣文化を縦横無尽に説明している。

たとえば、化合繊の箇所では、「石油を着る」という大胆なタイトルを付し、戦前には既に西陣、桐生、北陸地方などの絹織物産地で人絹が積極的に利用されていた点が指摘されており、当時の劣等製品の代表格だった化合繊の用途が活き活きと記されている。

また、衣服の洗濯方法やたたみ方などの習慣にも目をくばり、東アジア諸国で似通った点や異なった点がまとめられている箇所がある。竹竿で洗濯物を吊す中国由来らしい習慣は、20世紀前半の日本でもよくみられたが、世紀後半にはどんどん物干し竿と蛸足のセットで干す習慣に変わった点や、ヨーロッパ産のワイシャツは立体衣服ゆえにたたみにくく、平面衣服である日本の着物は畳むには便利といった点など、身近で遠くなりつつあるエピソードが満載である。

帯から

近代以降の衣生活の変容を衣服の仕立て方と着方、管理と保存、再生と再利用などにわたり日常生活の具体的な変化として捉えなおし、衣服(布)をめぐる創意と工夫が生産と流通の発展を促し、リサイクル文化を形成してきた経緯を描く。


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