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ブランドビジネス



本書の概要・感想

三田村蕗子『ブランドビジネス』平凡社、2004年

ライセンスブランドが日本の服飾文化の慣習や国内ブランドの育成をダメにしたという手厳しい日本ファッション界の戦後ビジネス論。

格好の失敗例(と同時に一時的な大成功例ともいえる)がピエール・カルダン。かつては日本のトイレにまでロゴが溢れたカルダン社の栄光と失墜は有名な話だが、他にも、ディオール+カネボウ等々、日本のアパレルメーカーや百貨店がフランス頼み・トップブランド頼みの商売で大赤字を弾き出した経緯が実に詳しい。

ブランド側への批判も手厳しい本書では、ヴィトンは既にトップ・ブランドではなく、カジュアル・ブランドと位置づけられている。大胆だが、素直な的を射た発想である。

「モードの世紀」のブランド辞典も、「ルイ・ヴィトン」に関しては、それを参考に少し書き換えたが、トップ・ブランドとは、そもそも「歴史」があるからこそ、そのようにいえる面もある。したがって、ルイ・ヴィトンというブランドは、ついつい「トップ」と思いがちだが、誰もが持っているブランドだからこそカジュアル・ブランドとしかいえない。

実際、街を歩いていても、小学生でさえもっているブランド・バッグがルイ・ヴィトンであることはよく分かるし、そのバッグを持ち歩きながら、寝起きの汚らしい茶髪の頭にスニーカー、そしてブヨブヨのジーンズにトレーナーというオバサマたちに出合うには、数歩歩くだけで十分だ。


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