BIBA スウィンギン・ロンドン 1965-1974
本書の概要・感想
長澤均『BIBA スウィンギン・ロンドン 1965-1974』ブルース・インターアクションズ、2006年
60年代イギリスが生んだストリート・ファッションの大御所ビバ(BIBA)を中心に、著者の長澤均らパピエ・コレのメンバーが1年間かけて総力を結集して編集したファッション文化史。60・70年代ロンドンのストリート・カルチャーを写真と文章で豊富に楽しめる。
本書は、ビバのロゴ、バーバラのポートレート、ブティックのモデルなど、ビバに関する写真を徹底的に収集し、その短期間のブランド生命を丁寧に掘り起こすことから出発している。
後の章では、マリー・クワント、フォール&タフィンら、同じ時代を生きたデザイナーにも焦点を当て、さらには、モデルや女優といった芸能面の写真や情報にも事欠かない。個人的には、カトリーヌ・ドヌーブの結婚秘話に関心が寄せられたが、目次にある通り、イギリスで発生したユース・カルチャーの歴史を幅広く扱っていて、読み応えがある。
そもそも、ビバというブランド名は、そのデザイナーだったバーバラ・フラニッキの妹の愛称から取ったもの。ストリートから出発し、セレブリティをも巻き込んで躍進していったBIBAは、青山や裏原宿の尖端ブランドやセレクトショップを思わせる面があると同時に、カルダンやクレージュら同時代の有名デザイナーたちとスタイルを共有している面もある。
バーバラは、ポーランド生まれのイギリス育ち。ファッション業界での活躍は、まずフリーランスのファッション・イラストレーターとして出発し、60年代初頭、当時著名だった『Women's Wear Daily』『British Vogue』『the Times』『the Observer』『the Sunday Times』各誌にイラストを描いていた。
1964年、彼女は今は無き夫ステファン・フィッツ・サイモンとともに、ブティック「ビバ」をオープン。『DAILY MIRROR』紙等でファッションコラムを書きながら、ブティックを展開させ、以前行なっていたメール・オーダーのビジネスも再開した。バンダナに似合う、背中が丸く空いたピンクのギンガム・ドレスが大ヒットし、一躍有名になった。
本書の目次
【1】BIBA ~ケンジントン・ハイ・ストリートの王国。
アール・ヌーヴォー神話の復活。/Big BIBA アール・デコの美の神殿。
【2】それはキングス・ロードからはじまった。
誰がミニ・スカートを発明したのか?/ツイッギー、1966年を制覇する。
【3】モダニスト群像~モダーン・エラのデザイナーたち。
モダニズムの少女たち、フォール&タフィン。/キャシー・マクゴワン人気と「レディ・ステディ・ゴー」。
【4】カーナビー・ストリート=孔雀の舞う通り。
ロンドン・ナイト・クラブ。/ジョン・スティーヴン、カーナビーの奇蹟。
【5】1967年、ロンドン・サイケデリア革命。
ヘイト=アシュベリーの魔術的カオス。/67年、サマー・オブ・ラブとビートルズ。
【6】キングス・ロードのデイ・トリッパーたち。
それは「グラニー・テイクス・ア・トリップ」から始まった。/帽子デザイナーからフォトグラファーになった男。
【7】フォトグラファーとティーン雑誌。
イースト・エンドの悪ガキ。/『NOVA』と『Queen』。
【8】柄への耽溺~アンチ・モダーンの時代。
オジー・クラークの栄光と死。/ザンドラ・ローズ 装飾模様の帝国/誰がBIBAを殺したか?
