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ココ・シャネルの秘密

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マルセル・ヘードリッヒ『ココ・シャネルの秘密』山中啓子訳、早川書房、1995年

著者のマルセル・ヘードリッヒは、1913年、フランスのアルザス、ムンスター生まれのジャーナリスト、小説家。サムディ・ソワール誌を発刊、パリ・プレス紙記者、マリクレール誌編集長、ラジオ放送局「ユーロップ・ンyメル・アン」の時事解説担当などを歴任した。小説に、『パリの美女』『バラと兵隊』、エッセーに『モーゼは神を創った』など。

本書は、1979年に出たハードカバーの文庫化で、シャネルの伝記では日本初といわれる邦訳。著者がシャネルと知り合ったのは、ファッション誌『マリ・クレール』の編集長をしていた時で、パリ・コレクションに出席したのがきっかけ。本書は、晩年のシャネルに対し、テープレコーダー片手に徹底した書き取りを行なった成功作である。これまでシャネルの伝記に挑戦した者たちは、シャネルは日が変われば話が変わるということに悩まれ続けたが、筆者は根気よく執拗にテープに録音したそうである。

テープレコーダーと執拗なメモ書きという努力のうえに、脚色豊かなシャネルの語りを活かすだけでなく、背後にある確証的な事実もふんだんに取り入れているため、この伝記は詳細かつ膨大なものとなっている。それゆえ、本書は、1930年代のパリ社交界の雰囲気を知る上でも興味ある本となっている。ファッション界のシャネルの名前と同じく、彼女を取り巻いたピカソやコクトーたち、若き芸術家の名前もまた、20世紀の芸術界に浸透しているのはいうまでもない。


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