アオザイ aodai : ベトナムの民族衣装

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アオザイ aodai : ベトナムの民族衣装

アオザイ aodai とはベトナムの民族衣装で「長いドレス」のことです。アオ(襖、ao)は着物(ドレス)、ザイ(dai)は「長い」の意味で、女性用がとくに有名です。清朝期旗袍の影響を強く受けた衣装で、20世紀に入ってからフランスの裁縫技術を導入して今に至ります。

ベトナムの民族衣装 アオザイ

ベトナムの民族衣装 アオザイ Vietnamese Dress via http://imgur.com/a/yjiVm

略史と特徴 : 旗袍との関係から

アオザイはグエン王朝期に清朝官人の朝服(旗袍)を簡略化したのが始まりといわれます。ただし、旗袍の下衣がズボンだったのに対し、長い間、アオザイの下衣はスカートだったようです。フランス植民地時代 (1887~1954年)に西洋裁縫が浸透する過程でスカートからズボンへ変わりました。1930年頃にハノイの美術家たちによって服装改良運動が進められました。

その結果、布地のパターン制作と裁断方法が西洋風になりました。具体的には、両脇に裾から腰までの深いスリットが入り、肩幅の狭い女性の多いベトナム人向けにラグラン・スリーブが開発されました。このため、一見保守的に見えるがとてもセクシーな感じになっています。

長いワンピースは旗袍に似ていますが、清朝期中国の男性がよく着用していた長衫(长衫、cháng shān)にも類似しています。たとえば、チャイナ・カラーな どの立領(スタンディング・カラー)を用い、上身頃は体にぴったり沿っています。袖はきつく(タイト・スリーブ)、スカートは足首までの長さがあります。下着としてクワン(quan)とよぶ広い白絹のズボンを穿きます。ズボンを含めた組み合わせをクワン・アオ(quan ao)といいます。

旗袍・長衫の色や柄は好みに応じて様々ですが、これら同様にアオザイの流行のポイントは丈の長さ、スリットの長さ、襟の高さ、クワンの裾幅の4点が中心でした。クワンは一流品ではフランス製絹織物から作りましたが、通常は国産の絹サテンで作成し、丸洗いができるものです。麻が使われる場合も多いようです。

1960年代からは薄いクワンを着用し、下のパンティ(ショーツ)を透かせてセクシーに見せたり、クワンが落ちないようにブラジャーへ繋ぎ止めたりするようになりました。近年は、白以外のクワンも色々と使われ、優雅な民俗衣装の一つを表しています。

なお、透ける素材や薄い素材がアオザイやクワンに用いられるのは、気候や、ラグラン・スリーブを活かす目的に適っています(厚地ではアオザイの醍醐味が減ります)。

アオザイのデザイン・ポイント

旗袍は肩のラインが水平に近いため肩幅の広い人に似合います。これに対し、アオザイは肩のラインが斜め下へ落ちるため、肩幅の狭い人に似合います。

また、いずれも袖無し(ノー・スリーブ、スリーブ・レス)の種類がありますが、旗袍の場合は肩が覆われたままなのに対し、アオザイの場合は脇から襟元までの布が無くなる理由から、紐を首に結ぶか襟のみで留める(アメリカン・スリーブ)かという形が多く採用されます。

アクセサリーからみると、旗袍にはブローチ、アオザイにはネックレスが似合います。

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