ブルー・ジーンズの文化史 リーバイ・ストラウスジャパン監修

ブルー・ジーンズの文化史 はジーンズの歴史をリーヴァイ・ストラウス社の製品に絞って記したものです。ジーンズを愛する人が楽しく書いたのだなと感じる一冊です。ちなみに、表記は日本法人の場合はリーバイ・ストラウス・ジャパンとなるそうです。

リーバイ・ストラウスジャパン監修、出石尚三『ブルー・ジーンズの文化史』エヌティティ出版、2009年

=リーバイス?

ジーンズはアメリカのゴールドラッシュ時に炭坑夫の作業着でしたが、今や最も多く着用される衣料品であり、また、オークションにも頻繁に出品され落札されるヴィンテージ文化の代表的存在でもあります。著者の出石尚三は服飾評論家で、ファッション・デザイン、ファッション・コンサルティングの経歴を持ちます。また、リーヴァイ・ストラウスとブルー・ジーンズをこよなく愛し、類書も多く書いています。

私はそこそこのジーンズ好きですが、メーカーよりも色にこだわります。薄めの黒色、これに尽きます。ブランドは二の次。それでも、リー、リーバイス、エドウィン辺りだと安心してしまいます。私の場合は、これらのメーカーに余り序列は有りませんが(どちらかといえばアメリカ企業の方が好き)、昔、EDWINに勤める知人女性が「店に来た客が<リーバイス置いてますか?>と尋ねるのが辛い」と話していました。ジーンズ業界やジーンズ史においてリーバイス圧勝の印象は、やはり確かなのでしょう。

 モデルの<a href=”https://www.facebook.com/ameetslloyd/” target=”_blank”>アメリー・ロイド</a>。黒色シャイニー・(Newlook社)、の青色デニム地パンツ「ボーイフレンド・ジーンズ」(リーバイス社)、結び目付き青色・白色ストライプのシャツ(Newlook社)、シンブル付き黒色バッグ(バレンシアガ社)、フィッシュネット・(網タイツ)。2017年1月29日、フランス、パリ、ヴァンドーム広場にて。

リーバイスの紆余曲折

しかし、リーバイス社もジーンズ史上で輝き続けていた訳ではありません。著者が述べるように、1906年のサンフランシスコ大地震で被害を受け、それ以前の同社の記録類や資料類一切が焼失しました。そのため、著者自身も資料収集には苦労されたらしく、サンフランシスコ市のリーバイス本社だけでなく、同市立図書館にも通ったそうです。ただ、もう少し調査を進めようとすると必ず1906年が足かせになってしまうそうです…。それでも、ジーンズ生地の強さのように、著者は「何から何まですべてが簡単に分かってしまったら、かえって拍子抜けするではないか」(280頁)と延べ、ジーンズへの好奇心と愛で本書を書き終えたとのことです。

ブルー・ジーンズ?

リーバイスの歴史は本書で楽しんでもらうとして、一つ、ジーンズを調べている時に混乱するデニムとの違い。これを丁寧に著者が述べていますので簡単にまとめます。本書では青いジーンズを「ブルー・ジーンズ」と呼んでいます。この呼称は著者いわく不思議なものです。ブルー・ジーンズの材料生地はブルー・デニムであって、ブルー・ジーンではありません。ジーン(Jean)は中世ヨーロッパで服の裏地に使われていました。そのため著者はジーンといえば「オフ・ホワイト」を連想するそうです。

次いで、ジーンとデニムの違いを引用しますと「決定的な違いは《裏白》の有無」です(271頁)。ブルー・デニムを裏返すと白色、ブルー・ジーンは裏返しても青色になります。これは綾織の経糸と横糸の構成による違いで、デニムは横糸に白色の晒糸を使うため、裏地にそれが出るわけです。ジーンは経緯ともに青色の意図を使うので裏も当然ブルーという訳です。

それではジーンズという製品名が使われたのはいつ頃か、なぜ私たちは今、表地が青色で裏地が白色のデニム・ズボンをジーンズを呼んでいるのか、色々と疑問が出てきますが、それらは本書から探ってみて下さい。

ブルー・ジーンズの文化史 目次

目次は以下の通りです。

  • 人はなぜブルー・ジーンズを穿くのか―まえがきに代えて
  • なぜL・ストラウスはジーンズを採用したのか―L・ストラウスとブルー・ジーンズ
  • ジーンズ以前にジーンズがあった話―M・トゥエインとブルー・ジーンズ
  • なぜクロスビーはジーンズを愛用したのか―B・クロスビーとブルー・ジーンズ
  • なぜ子供がジーンズを穿いたのか―E・ヘミングウェイとブルー・ジーンズ
  • 誰が最初に西部劇でジーンズを穿いたのか―J・ウエインとブルー・ジーンズ
  • 血と汗と涙のしみ込んだジーンズたち―J・スタンベックとブルー・ジーンズ
  • なぜビートはジーンズを穿いたのか―J・ケルアックとブルー・ジーンズ
  • 西から東へ進んだブルー・ジーンズ―R・チャンドラーとブルー・ジーンズ
  • 戦争と平和とジーンズ―C・チャップリンとブルー・ジーンズ
  • 1947年、ジーンズに何が起きたのか―M・ブランドとブルー・ジーンズ
  • ジーパンからジーンズへ―白洲次郎とブルー・ジーンズ
  • なぜクーパーのジーンズは美しいのか―G・クーパーとブルー・ジーン
  • なぜ女はジーンズを穿いたのか―M・モンローとブルー・ジーンズ
  • なぜヨーロッパでジーンズが流行ったのか―B・バルドーとブルー・ジーンズ
  • アップダイクとプレスリー―J・アップダイクとブルー・ジーンズ
  • モッズはなぜジーンズを穿いたのか―D・ボウイとブルー・ジーンズ
  • サブ・カルチュアからメイン・カルチュアへ―A・ウォーホールとジーンズ
  • J・カーターとB・ディラン―大統領とブルー・ジーンズ
  • なぜ80年代のスパイはジーンズを愛したのか―B・フリーマントルとブルー・ジーンズ
  • 誰がブルー・ジーンズをデザインしたのか―C・クラインとブルー・ジーンズ
  • なぜJ・レノンはジーンズを穿いたのか―J・レノンとブルー・ジーンズ
  • 人はなぜそれをブルー・ジーンズと呼ぶのか
  • サンフランシスコ大地震とブルー・ジーンズ―あとがきに代えて

リーバイ・ストラウスジャパン監修、出石尚三『ブルー・ジーンズの文化史』エヌティティ出版、2009年

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