ファッション中毒

ファッション中毒

ファッション中毒 : 有名ファッション誌『グラマー』『USウィークリー』『コスモガール!』『マドモアゼル』などの編集者、ファッション・ジャーナリストとして活躍する著者が業界内部から行なった問題提起の著書です。とはいえ業界の悪い側面がいくつも明らかにされる一方で、ファッション中毒から抜けられない消費者たちの肩を持つ観点もあり、読者は悲惨な現状を理解しながらも少し余裕を持って読み進めることができます。エピローグの題名は「なぜ私は心配するのを止めファッションを愛するようになったのか?」です。

ファッション中毒

ファッション中毒

ミシェル・リー『ファッション中毒―スタイルに溺れ、ブランドに操られるあなた―』和波雅子訳、日本放送出版協会、2004年

本書の問題提起

fashion victim(ファッション・ヴィクティム/流行被害者)を視点に著者が取り上げる様々な問題は次のようなものです。ファッション業界・アパレル業界にみられるトレンド・サイクルの加速(2「スピード・シック―トレンドの命は5分間!」)、メディアやエンタテインメントとの癒着(4「 もうファッションから逃げられない!―メディアとスタイルの蜜月関係」)、歪んだボディ・イメージ(5「痩せてなければオシャレじゃない―歪むボディ・イメージ」)、スウェットショップ(6「服を作っているのは誰?―ファッションの負の歴史と現状」)、化学物質、環境汚染、動物愛護(8「やさしさもトレンド次第?―動物愛護かファッションか」)などです。

本書の良い点は業界の裏事情を網羅しながらも、バランス良くファッションと付き合っていく方法を探ることができる点にあります。エピローグで著者は「欠点は多々あれども、やっぱり愛せずにはいられない存在、それがファッションなのである」(383頁)と結んでいます。それにしては業界のマイナス面が膨大に示されているのですが、そこは本書の文体がやや軽快であることで救われるのかもしれません。

ミシェル・リー『ファッション中毒―スタイルに溺れ、ブランドに操られるあなた―』和波雅子訳、日本放送出版協会、2004年

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